給料明細に書かれている「所得税」の項目。
みなさん、何のことだか知っていますか?
「給料から源泉徴収されているらしい!」
「会社が年末調整で処理してくれるんだよね?」
そう!そのとおり♪ですが…
それは所得税の中の
1つの形でしかありません。
所得税を知ると、生活でトクする
たくさんのヒントに出会えちゃうかも!
目次
所得税の基本
まず所得税について
おさらいしましょう♪
所得税は個人が1月1日から12月31日までに得た
所得に課される税金です。
総収入から必要経費を引いたものが「所得」で
給料の手取り金額とは
まったく違う考え方となるので
頭を切り替えて考えてくださいね。
所得税は所得が高いほど税率が高くなり
優遇処置もなくなるという法則もあります。
所得の種類
「所得」といえば「給料」
と思ってしまいますよね?
ですが給料は
「10種類ある所得の1つ」に
すぎないのです。
~所得の種類~
- 利子所得
- 配当所得
- 不動産所得
- 事業所得
- 給与所得
- 譲渡所得
- 一時所得
- 雑所得
- 山林所得
- 退職所得
実は、こんなにも細か~~~く
分かれているんですよ~!
サラリーマンとして働いていると
かかわりのある所得は
①利子所得 ⑤給与所得 ⑩退職所得
この3つくらい。
しかも自分で処理をしなくても
大丈夫なことも多いのです。
該当する人が多い分
制度がきちんと作られているので
関心が薄いのが「当然」とも言えます。
ですがビジネス本やインターネット記事などでは
「たくさんの収入源を持とう!」という
フレーズを見かけることが増えてきました。
これは給与所得「以外」の所得の種類を
増やそうという意味でもあります。
では、よく見るフレーズが
どんな所得と関係するのか見てみましょう!
フレーズ1:「株式や投資信託に投資して儲けよう!」
②配当所得 ⑥譲渡所得
フレーズ2:「マンションを買って運用しよう!」
③不動産所得
フレーズ3:「WEBライターの副業をしよう!」
⑧雑所得
フレーズ4:「今までのスキルを活かして起業しよう!」
④事業所得
働き方やお金のもらい方によって
所得の種類は変わり
税金のルールも変わります。
給与所得は会社が処理をしてくれても
他の所得は自分でやらなければなりません。
所得税ってどう計算されるの?
所得の種類がたくさんあるのは
わかりましたよね。
ではどういう流れで
所得税は計算されていくのかを
見ていきましょう♪
①種類ごとに所得を計算する
10種類すべてをそれぞれ
「総収入-必要経費」の処理をして
所得を出していきます。
どこまでが収入に含まれるのか
何が必要経費なのかを
よく確認することがポイントです。
不動産所得を例にしてみましょう。
「月極駐車場の料金」は
不動産としての収入となりますが
「タイムパーキングの料金」は
事業所得または雑所得として扱われます。
賃貸用の不動産を取得したときの
免許登録税や不動産取得税は
必要経費に入れられます。
ですが同じ税金でも
所得税、住民税、延滞税、相続税は
必要経費に入れることはできません。
②各所得を足し引きして総所得金額を出す
10種類の所得が計算できたら
それを足し引きしていきます。
そこで「損益通算」という考え方があり
ある一定の所得で赤字がでた場合に
他の所得の黒字と差し引きすることができるのです!
たとえば
黒字100万と赤字60万円の
所得があったとして
損益通算ができない場合は
黒字100万円 - 赤字0円 = 100万円
となり100万円に税金がかかります。
一方、損益通算ができる場合は
黒字100万円 - 赤字60万円 = 40万円
となり40万円に対して税金がかかるため
支払う税金が大きく減るのです♪
ただし以下の4つの所得しか対象にならないので
注意しましょう!
~損益通算できる所得~
③不動産所得
④事業所得
⑥譲渡所得
⑨山林所得
③総所得金額から所得控除を差し引く
いままでは収入を積み上げる処理でしたが
ここでは個人個人の事情に応じて
減らしていきます。
所得控除は大きく14種類あります。
知らないと損をすることが多いのがこの項目。
【特定の支出に配慮した控除】
- 医療費控除
- 社会保険料控
- 生命保険料控除
- 寄付金控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 雑損控除
【生活が苦しい人へ配慮した控除】
- 基礎控除
- 配偶者控除
- 配偶者特別控除
- 扶養控除
- 障害者控除
- ひとり親・寡婦控除
- 勤労学生控除
生命保険料控除は
サラリーマンでは年末調整でも
お馴染みですよね♪
医療費控除は入院などで
大きな出費があったときに活躍します。
寄付金控除は「ふるさと納税」としても
知られるようになりました。
お子さんがいる人にとっては
扶養控除のために
お子さんの名前などを
会社に提出した記憶があるはずです。
多くは年末調整や確定申告で申告しないと
控除されないので注意しましょう!
④税金を計算する
所得からいろんな控除をして
課税される所得金額がわかったら
いよいよ所得税を計算します。
所得税の計算には一般的には
速算表を使います。
▲国税庁WEBサイト「所得税の税率」より
課税される所得金額が2,000,000円とすると
(2,000,000円 × 10% ) – 97,500円
= 102,500円(←所得税額)
となります。
⑤税額控除を差引く
いえいえ、ちょっとまってください!
まだ処理が残ってるんですよ~!
速算表によって計算された所得税額から
「税額控除」がされます。
税額控除はもっとも節税効果が大きいと
言われているので忘れずに引きましょう!
今までは「収入-必要経費」や
「所得控除」と少しずつ税金を減らしてきました。
ですが所得控除ではシンプルに
所得税額から差引いて減らすことができます。
代表的なものとしては住宅借入金等特別控除で
「住宅ローン減税」とも呼ばれています。
人によっては年末調整で10万円以上も還付金があった!
という話は住宅ローン減税の効果であることが多いでしょう。
⑥納税する
税額控除のあとには
復興特別所得税などが計算されて
いよいよ所得税額が確定します。
サラリーマンであれば年末調整により
所得控除の申請をするだけで済みますが
複数の所得がある場合や
控除したいものによっては
確定申告が必要になります。
まとめ
「所得」というのは給料だけではありません。
所得は10種類にも分けられて
それぞれにルールが決まっています。
知らないで放っておくと
いつの間にか脱税として
取締りの対象になってしまうことも…。
お金を貰うときには何の所得にあたるのか
気にするところから始めましょう♪
所得税の税額を計算するには手順があります。
それぞれの所得を足していき
すべて足したら1人1人の事情により
控除があるので引いていきます。
税金は申告をしなければ
減らす処理ができないのが特徴です。
よく調べると今まで申告して減税できたものは
実はたくさんあるんです。