他人事ではない!介護保険のルールとは?

現役世代は「介護なんて自分には関係ない」と思う人がほとんど。
でも本当でしょうか?
いまでは18歳未満の子どもが家族のケアをする「ヤングケアラー」が社会問題になりつつあり、小学生では30人クラスなら約2人が介護をしていると言われています。
誰もがいつ「介護する側」になるか分かりません。
そこで今回は介護のベースとなる「介護保険」について学んでいきましょう。

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一緒に学んでいこう~!

介護保険のキホン

介護保険とは?

介護が必要となった高齢者とその家族の負担を軽減するための制度です。
介護は本人だけではなく、家族にも大きな負担がかかります。
そこでお金の負担軽減だけではなく、生活に直接かかわる支援が多いのが特徴です・

介護保険は法改正の頻度が非常に多いのも特徴で、毎年利用できる制度内容について変化があります。
認定制度や利用条件など、使う側からすると分かりにくい印象も大きい介護保険は、ケアマネジャーなどへの相談制度も充実しています。

「施設に入れてしまえばいい」は通用しない

街を歩くと介護系の施設はたくさんありますよね。
現役世代としては「困ったら施設に行ってもらえばいいじゃないか」と思ってしまいます。
ですが、介護保険はできるだけ自宅で生活するように作られています。
国も財政負担を増やしたくないというのもありますが、ほとんどの高齢者が施設ではなく、住み慣れた自宅で生活したいと望むからです。

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自分の立場で考えてみても「やっぱ自分の家はいいなぁ!」って感じるもんな~

介護保険を利用しなくても利用できるサービスもありますが、金銭的な負担は大きなものにもなります。

保険料の計算方法と支払い方

介護保険は2つの区分に分かれています。
「第1号被保険者」は65歳以上
「第2号被保険者」は40歳以上64歳以下の公的医療保険加入者

第1号被保険者の保険料は所得に応じて決まります。
支払い方は年金額が18万円以上だと年金から天引きをされ、18万円未満なら納付書で納付します。
第2号被保険者はサラリーマンであれば健康保険と合わせて徴収されます。
ただし、被扶養者は保険料の負担はありません。
40歳になると給料からの天引き額が増えるので、家計にとってはツラいですよね。

利用するためにはどうするの?

基本的な条件

第1号被保険者は「介護状態または要支援状態」と認定されれば利用できます。
第2号被保険者は「老化にともなう特定疾病」という条件が加わってしまいます。
特定疾病とはがん末期、脳血管疾患、関節リウマチなど16種類です。
保険料を払ったからといっても制限がされてしまうのです

認定されるためには?

介護保険は施設や病院にいって保険証を出しても利用できません。
市町村からあらかじめ「認定」を受けていないとダメなのです。
ここでは申請方法を見てみましょう。

1.申請

介護保険は地域に根ざした対応が必要なので窓口は市町村です。
本人や家族だけではなく、ケアマネジャーと呼ばれる専門職でも申請できます。

2.認定調査

認定調査は2つの方法で行われます。

  • 介護の実務経験や資格を持った調査員による訪問調査を行い、心身の様子や日常生活を聞き取ります。
  • 主治医の医学的な面からみた意見

3.審査判定

認定調査の情報をもとに審査が行われます

・一次判定
主に訪問の結果からコンピュータにより判定します。

・二次判定
一次判定の結果や主治医の意見をもとに専門家の審査会で必要性を審査します。

4.結果通知

結果は申請から30日以内に「要介護」「要支援」「非該当」のどれかが通知されます。
要介護は1~5に分けられ、要支援は1と2のみです。
要介護5がもっとも介護が必要とされています。
非該当でも一定の条件でサービスを利用できる場合があります。

要介護と要支援の境目はおおむね食事、トイレ、入浴が1人でできるイメージです。
特別養護老人ホームの介護保険適用は「要介護3」が条件の1つです。
要介護3は起き上がりや寝返りが自力でできない状態といえます。

自己負担額はどれぐらい?

自己負担額は原則1割です。
ただし65歳以上では所得に応じて2割や3割となります。
自己負担額が一定額を超えた場合には「高額介護サービス費」が支給されます。
介護サービスを受けるときには食費や居住費など、介護保険の対象ではないものも多くあります。

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思ったよりもお金がかかってしまったというケースも多いので注意が必要やで!

どんなサービスがあるの?

介護保険にはたくさんの制度があります。

居宅でのサービス利用費

訪問介護など自宅などに住んでいる場合に利用したサービス費を支給してくれます。
原則1割負担ですが、所得により2割~3割負担となります。

施設でのサービス利用費

要介護の対象者が介護福祉施設などを利用する費用を支給してくれます。

デイサービスとデイケア

身体機能の維持、社会とのつながり、家族の介護負担軽減を目的にしています。
運動などだけではなく、食事をする力を維持するトレーニングもします。

用具購入費

入浴の補助用具などを購入したときに費用を支給してくれます。
自己負担は購入費の約1割で、上限は年間10万円です。

住宅修繕費

手すりをつける、段差を無くすなど住宅を改修するための費用です。
工事費用は1割負担ですが上限があります。
事前申請が必要なので注意しましょう。

ケアプランの作成

自立した日常生活を送るために利用者にあったプランをケアマネジャーが作成し、関係する機関との調整もしてくれます。
自己負担はありません。

まとめ

日本の65歳以上の人口は約3割でこれからも増え続ける見込みです。
介護は他人事ではなく介護保険は強い味方です。
介護だけではなく「予防」して自立した生活を維持する目的もあります。

介護保険はケアプランが無料になるようなサービスの利用をバックアップする仕組みが備わっています。
ですが、最初の申請は自分でしなければなりません。
まだ必要ないと思ったり、知らなかったりして金銭・心身ともに苦労する人は少なくないのです。
介護は年単位になることが少なくありません。
制度をしっかり味方にするのも大切ですよ。

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みなさん、お疲れさまでした~

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