持ち家か賃貸かという、いわゆる「持ち家・賃貸論争」は今まで沢山論じられてきました。
それでも何を基準にどう選ぶべきか、わからないという人もいるでしょう。
そこで今回は、改めてこの問題を取り上げどちらがどう得なのか、それぞれのメリットとデメリットは何なのか解説していきます。
目次
1 長期コストで比べるなら持ち家が得
同等物件に長期(50年など)住むなら、持ち家の方が1300万円得という試算があります。
俗にいう、「1300万円の差」と呼ばれるものです。
物件の価格やローンの金利などで金額は上下しますが、いずれにせよ、長期住み続けるなら持ち家の方がコストがかからないとされています。
持ち家は初期費用は賃貸よりかかりますが、月々の支払い、つまり住宅ローンの金額は、同等物件の家賃より安い傾向にあります。
これが、長期にわたると大きな差になるわけです。
それは、家賃にはオーナーの利益や、家賃滞納された時のコストなどが上乗せされているためです。
修繕費が含まれている場合もあります。
もちろん、ドムくんの言う通り、持ち家は住宅ローンとは別に修繕費がかかってきます。
それでも、長期で住むと、持ち家の方がトータルコストが安くなるのは、住宅ローンは完済すればそれ以降は払わなくて済むのに対し、家賃はその物件に住み続ける限り払い続けなくてはならないからです。
これが最終的にどのくらいの差になるか、具体的に数字で見てみましょう。
たとえば、月々93000円の住宅ローンを35年で組んだ場合と、同等物件を家賃10万円で借りた場合、それぞれの物件に50年住むとすると、管理費などを含めても、概算で1400万円程、賃貸の方がコストがかかるとされています。
一方持ち家は、固定資産税や修繕費が長期で住むほどかかってきます。
そのため、長期のランニングコストは持ち家の方がかかります。
しかし、それを相殺したとしても、結局数百万円程は持ち家の方が得という計算になります。
1-1月々の支払いを同じにすると結果は異なる
ここまで、長期で住むなら持ち家の方が得という話をしてきました。
しかしこれはあくまで、同等物件で比較した場合です。
これを物件ではなく、月々の支払いで比べると結果は逆になります。
つまり、家賃が月々の住宅ローンと同等であれば、賃貸の方がコストはかからないないというわけです。
先ほど述べたように、同等物件の場合、月々の住宅ローンより家賃の方が高くなる傾向があります。
そのため、住宅ローンと家賃が同等となると、物件のグレードは賃貸の方が落ちる可能性があります。
その代わり、コスト面では賃貸の方が得になるわけです。
2 ライフステージの変化で切り替えるのが理想
1章の結論としては、物件のグレードを揃えて比較した場合は持ち家が得、月々の支払いを揃えた場合は賃貸が得、というものでした。
このことは、ライフステージによって持ち家と賃貸を使い分けるのがベストということを示しています。
たとえば、独身で若い時は、無理して持ち家にする必要はないでしょう。
持ち家なら月々のローンが家賃と同等で、賃貸より広かったり1部屋多い物件に住めるかもしれません。
けれど、1人で住むなら、物件のグレードはそこまで重視しなくてもいいはずです。
物件のグレードが上がるメリットより、多額の住宅ローンを抱えるリスクの方が大きいです。
しかし、結婚して子供が出来た場合などは、部屋数など家のグレードが重要になってきます。
月々、同じ支払いなら、1部屋多い方が良い、ということになるでしょう。
また、住宅ローンは不必要に早く組む必要はありませんが、必要になったらなるべく若いうちに組んだ方が後々の返済が楽になります。
そうですね。
ではこの章の内容を簡単にまとめておきます。
- 20代前半な若いうち、もしくは結婚の予定がないうちは賃貸でも良い
- 家族ができたら持ち家を検討する
さて、ここまでお金にフォーカスして、持ち家と賃貸を比べてきましたが、次章からはそれ以外の面からも2つを比べ、それぞれのメリットとデメリットを挙げていきます。
3 持ち家のメリット・デメリット
メリット
- 内装や設備などが賃貸より良い
- ファミリー層向けの物件が豊富
- リフォームなど、自分の好みに部屋を変えられる
- 住宅ローンを完済すれば月々の支払いがなくなり、資産となる
デメリット
- 固定資産税などの税金がかかる
- 家のメンテナンスに手間とお金がかかる
- 一度購入したら簡単に住み替えができない
4 賃貸のメリット・デメリット
メリット
- 修繕費がかからない
- 問題があっても住み替えが容易
- 初期費用が持ち家より安く済む
デメリット
- 住み続ける限り、家賃がかかる
- 家賃を払い続けても資産にならない
- 老後は賃貸契約を断られる可能性がある
- リフォームなど部屋の変更を自由にできない
まさに、ドムくんと同じ考えで、最終的に資産になる方が良いと考え持ち家を選ぶ人もいます。
持ち家であれば、歳を取っても住むところには困りません。
そうですね。
この歳までは働けるだろうとか、このくらいボーナスが出るだろう、といった予測のもとローンを組んでも、どうなるかわかりません。
失業したり、病気になったりして、収入が途絶えてしまう可能性もあります。
一方、賃貸も高齢になると賃貸契約を断られることがあり、高齢者向け賃貸物件に入るにせよ、持ち家を購入するにせよ、まとまった資金が必要です。
まとめ
今回は、永遠のテーマの1つともいえる、持ち家と賃貸どちらを選ぶべきかについて解説しました。
資産形成を忘れず、自分の状況に合わせて賢く選ぶようにしましょう。