デジタル技術の進化の速さは毎年のようにわたしたちの生活を変えています。
スマートフォン、ネット決済、仮想通貨支払いなど、たった10年前と比較するだけでも生活の風景はまるで違いますよね。
その変化の中で育っていく子どもへの教え方はどうしたらよいでしょうか?
目次
お金を「タブー」にしない
日本では子どもとお金の話題をすることは少ないと言われています。
それでも一昔前までは家で親がテレビで見るニュース番組などを子どもが見る場面があったので、話題のきっかけが身近にありました。
今の子どもはタブレット、スマホ、ゲーム機などで自分の興味があるコンテンツだけにアクセスしてしまいます…。
これからの日本は人口減少、現役世代の負担増加など見通しが明るいとは言えません。
親の世代よりもお金に向き合って行く必要があります。
学校教育でもお金についての教育がされるとはいえ、家庭で活用する場が無ければ身に付きにくいでしょう。
子どもたちには親が積極的に関わっていく必要があるのです!
昔と今とでは子どものお金への感覚は違う
キャッシュレス決済の普及は子どもへのお金の教育の形を一変させています。
親がお店でクレジットカード、タッチ決済などを使う姿だけ見ていると「ピッとやればものが貰える」と理解してしまい、「お金とモノを交換している」という感覚が育ちません。
子どもが親にねだる言葉を観察すると「これを買って!」から「これが欲しい!」に変化しているのです(汗)
現金であれば「1,000円札」「500円玉」「1円玉」とお金のモノとして理解できますし、どのくらい使ったかも見ることができます。
キャッシュレス決済ではレジで一瞬表示される数字だけ。
今の子どもはお金の価値を掴みにくいという課題もあります。
お金の価値を教えるためには?
遊びを通して学ぶ
子どもは親が働いているからお金があるというのは知っていても、どれだけ大変というのは知りません。
親の苦労を子どもに見せないことが良いという価値観も後押ししてしまいます。
お金を得ることがどれだけ大変かを知るには、まずは遊びから♪
例えばパン屋さんやお菓子などでモノを売るお店屋さんごっこ。
大切なのは売ったお金が全て貰えるわけではないというのを理解させることです。
1個500円で売れたとしても材料費、人件費、家賃などを考えれば100円しか残らないということを学ばせましょう。
学校などでもお店屋さんをイメージした遊びは行われていますが、親と一緒にやると印象も変わります。
見える化する
わたしたちが生活するためにお金が使われないことはほとんどありません。
お金はお店でモノを手に入れるためのものと思っている子どもにとって、子どもが電気や水を好き放題使ってしまうのには困ってしまいますよね…。
お金がかかることを教えるにはモノを用意すると効果的です。
例えば、1回のお風呂で必要な水をペットボトルのミネラルウォーターに置き換えてみましょう。
実際にペットボトルをたくさん用意するのも面白いですよね。
「これをお店で買ったらいくらになるかな?」と聞いてみれば水にもお金がかかると感じるかもしれません。
さらにその金額分の1円玉を用意して、お金のリアルな「重さ」を感じさせるとビックリするかも♪
自分たちの生活にあてはめる
お金の歴史を教える
物々交換から始まったと言われているお金。
次第に貝などが使われ、金貨や銅貨など希少金属へと移り変わりました。
金本位制が考えられたり、為替手形や株式などさまざまな形が生まれたりと徐々に発展していきます。
このようにお金はただの数字ではなくエピソードがたくさんあります。
本や動画だけではなく、各地の民俗資料館などに出かけて体験してみると子どものお金への感じ方も変わるのではないでしょうか。
自分たちの生活費を想像してもらう
自分たちの収入や貯金がどれぐらいか子どもに教えている家庭は少ないでしょう。
子どもが言いふらしたりして思いがけないトラブルに発展するのは怖いですよね。
本当の手取り額を教える必要はなく、使えるお金には限りがあることをイメージさせるだけでも子どもの意識は変わってきます。
例えば毎月使える予算を設定します。
家賃、電気代、インターネット料金、保険料などかかる費用を一緒に考えてみましょう。
費用から残ったお金は1万円。
そこで「もし家電が壊れたら買い換える必要があるよね。でも、1万円だと足りない。どうしたらいい?」と子どもに聞いてみるのです。
子どもは「おばあちゃんからお金をもらう!」など思いがけないことを言うかもしれませんがペースを乱されないように!
一般的には他の支出を減らす、貯金を使う、お金を借りるという方法が挙げられます。
支出は減らせるものと減らせないものがありますよね。
貯金も先にしっかり貯めておく必要があります。
クレジットカード払いで支払を先延ばしにしても支払日までにお金を用意しないとダメ、など想像力を使って広げていくのです。
子どもと将来を想像してみる
「将来の夢は?」というと子どもにとっても定番の質問です。
「勉強を頑張ろうね!」で終わらずに、実現する方法を考えてみるのもお金の大切さを知る方法です。
ある程度の成績を取る、専門学校や大学に行く、資格を取得するなど色々な「条件」が見えてくるのではないでしょうか?
その実現に必要なものもやはり「お金」です。
子ども自身が親からどれだけ「投資」をしてもらう必要があるかを知ることで、真面目に取り組むことにも繋がります。
子どもが中学、高校生と大きくなっているなら、学費などの負担と親の将来の財産見通しを踏まえて話すのも悪いことではありません。
少しずつ資産運用も教えていく
子どもたちにとっての最大の武器は「寿命」です。
資産運用にとっても重要な要素は運用期間の長さ。
金融教育は早いほど有利になると言えるでしょう。
とはいえ、子どもにとって資産運用は分かりにくいですよね。
焦らずに中学生、高校生と成長に合わせて少しずつ教えることが大切です。
とくに資産運用とギャンブルの違いを早い段階から教えましょう。
年齢が低いほど「儲かる」「お金が増える」ことに関心が行ってしまい、リスクとリターンの関係をおろそかにしてしまうからです。
まとめ
子どもは「親にもやりたいことや将来がある」ことを想像しませんよね。
親も子どもに心配させたくないとつい話題にしないのではないでしょうか?
親のお金の考え方は子どもの将来にも大きく影響します。
これからの時代はしっかりと家族でお金についても向き合うことが大切です。