こんにちは! テンです!
このサイトでは、生きていく上で少しでも役に立つ『知識』や『情報』を発信していきます!
僕のプロフィールはこちらを参考に下さい。
さて、今日は質問を受けたので解説します。
旦那さんの自営業をお手伝いする「さとみ(仮名)」さん
「私の旦那は自営業です。現在、社員も雇っていないので国民健康保険へ加入しています。この度、幸いにも忙しくなってきたので社員を2名採用することにしました。
新たに入社してくる社員に
「社会保険への加入は可能ですか?」
と質問されました。
今まで家族経営でしたので、考えてもいませんでした。
実際、国民健康保険のままでいるほうがいいのか、社会保険に加入するべきなのかどちらが得なのでしょうか?」
社会保険と国民保険については、今更聞けないという方が多いみたいですね。
目次
今回の質問を整理してみましょう!
- その1 社員を採用した時点で社会保険に加入するべきなのか
- その2 社員は社会保険に入りたいけど、断ることはできるのか
- その3 社会保険と国民健康保険どちらが得なのか
ざっくりこの3点というところでしょうか!
全て解説すると、かなり長文になって読み疲れしてしまうので、まずはざっくり大枠を解説しつつ、以降の章で詳しく解説していきます。
日本は世界でも珍しい国民皆保険(こくみんかいほけん)
日本は世界でも珍しい「国民皆保険」です!
簡単に言えば、国民全員権利があるということで、どの病院でも同じ医療費で診療を受けることができます。
ちなみにアメリカは、医療保険に加入していない人が大勢おり、所得が低いがために医療を受けることができない方もいます!
アメリカと比べると日本は必要最低限担保され、平等に使える優秀な制度です!
日本では、病気やケガで治療費を支払うと窓口負担は3割ですよね!
それに加え、万が一治療費が高額にわたった場合は「高額療養費制度」というものも活用することができます。
高額療養費制度については後述しますので、ここでは割愛します!
とにかく、ここで伝えたいのは決して当たり前ではない制度ということです!
我が国日本の制度は素敵やな~。
社会保険と国民健康保険の違い
では、本題にはいります。
1.社会保険とは
正社員や一定条件を満たしている非正規社員は会社の社会保険へ加入します。
この社会保険料の半分は勤め先が負担してくれています。
社会保険の中には主に4つの保険・制度が含まれています。
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 介護保険
また、ここが大きな違いになります!
そうです!扶養制度!
この扶養制度が設けられているおかげで、所得額の少ない家族を自分の扶養者として健康保険に加入させることができる。
もちろん保険料の負担額も大切ですが、国民健康保険には「扶養制度」が無いので、ここは大きな違いとなりますよね!
また、他にも保障制度があるので(例えば傷病手当が有名どころ)社会保険はメリット大です!
2.国民健康保険とは
次に、国民健康保険は、基本社会保険に加入されていない方は加入が必須です。一部生活保護を受けている方は除かれますが・・・。
フリーランスや個人事業主なんかはこちらにあたりますね。
ではざっくり違いをまとめましょう!
1.保険料の違い
そもそも計算方法も異なりますが、社会保険は勤め先の会社と原則折半!
社会保険の場合、基本給や通勤手当、残業手当、住居手当などの収入と被保険者の年齢をもとに金額を算出します。いわゆる「標準報酬月額」というものですね。
対して、国民健康保険は都道府県及び市区町村が保険者となって運営しており、次の3つを合わせた金額によって決定される。
- 医療(国民健康保険加入者の医療費にかかる保険料)
- 後期高齢者支援(後期高齢者の医療を国民全体で支援するための保険料)
- 介護納付(介護保険第2号保険者(40歳〜64歳)の介護保険料)
市区町村のよって異なるのでもう少し詳しく知りたいよ!という方はこちらを確認ください。
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000943669.pdf(出典:令和3年度の標準保険料率(三重県))
2.扶養制度
国民健康保険には扶養という概念はありません!
反対に社会保険は3親等以内かつ一定の条件を満たすものであれば被保険者の扶養に入ることができます。
3.加入する保険団体が異なる
社会保険は全国健康保険協会や会社の健康保険組合に加入します!
国民健康保険は市区町村が保険者となります!
4.保障制度の違い
国民健康保険には、傷病手当などの保障がなかったり、将来もらえる年金受給額に差がある!
一旦課題を整理
ざっくり全体図を説明しました。
社会保険に関しては結構複雑にできているので、今はざっくりとした解釈で問題ありません!
では、ご質問いただきました内容にお答えしていきます。
その1 社員を採用した時点で社会保険に加入するべきなのか
結論はYESです。
しかし「法人」か「個人」かによって考え方が少し異なります。
よく言われるのは、社員を雇っていない法人の場合。
「法人にいるのは役員報酬を受け取っている代表者1人やから、加入しなくてもええやろ」
という場合。
加入義務には「使用される者」とありますが、この使用されるものに代表者も含まれます。
よって代表者1人でも加入する必要があります。
ただし、「役員報酬」を受けとっている場合に限りますので、代表者が役員報酬を受け取らない場合は、加入しなくてもいいということになります。
次に法人化していない個人事業主の場合、5人未満の従業員であれば加入義務はありません。
今回のご質問者が、「法人」なのか、「個人」なのか、また全体従業員は何名なのかによって回答が変わります。質問上では、詳細がなかったので割愛します。
ただし、社会保険を加入することにより、メリットは沢山あります。
よって個人的には社会保険へ加入することをオススメします!
その2 社員は社会保険に入りたいけど、断ることはできるのか
上記1と同様で、会社の形態によって異なります。
ただ、本人にとっても「社会保険」加入を希望しているのであれば、社会保険へ切り替える方をオススメします。
雇用安定にもつながりますし、万が一の傷病手当等も活用することができるためです!
その3 社会保険と国民健康保険どちらが得なのか
どちらが得なのかに関しては、一概には言えません。
ただ、保障や年金の受給額を見ると、社会保険をオススメしたくなります。
今後、もう少し深く年金受給額等についてはお伝えしていきます。
他にも同様の質問を受けましたので簡単にご紹介
Q1
個人事業主で、従業員が5人未満の会社です。社会保険の方が将来的に得だよ!と言われたのですが、うちのような小さい会社でも社会保険へ加入することはできますか?
A1
結論、できます。
従業員の2分の1以上の同意があれば任意加入が可能です。(任意適用申請を行う手続きはこちら(出典: https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/jigyosho/20150310.html))
ただし、同意しなかった従業員も加入対象となるのでご注意ください!
Q2
役員でも社会保険へ加入することはできるのでしょうか?
A2
役員報酬を受けている場合、可能です。
また、非常勤役員の場合、加入義務は発生しません。
また、よくあるのが、二箇所以上から報酬を受け取っている役員の場合、「二事業所勤務届」を提出する必要があります。https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/tekiyo/hihokensha1/20131022.html
この章の総まとめ
今回3つの質問に対して、お答えしました。
- その1 社員を採用した時点で社会保険に加入するべきなのか
- その2 社員は社会保険に入りたいけど、断ることはできるのか
- その3 社会保険と国民健康保険どちらが得なのか
まとめとして・・・
- 日本は世界でも珍しい「国民皆保険」であるということ
- 平等で最低限の保障をされている、いわば手厚い保険だということ
- 社会保険と国民健康保険は違いがあるということ
- 社会保険と国民健康保険はどちらが得かは一概に言えないが、社会保険をオススメしている
- 保険料算出方法の違い
- 扶養制度があるかないか
- 加入する保険団体が異なる
- 保障制度が大きく違う
日本の社会保障制度を理解することで得することも沢山ありますね!
特に、知らないが故に、無駄な民間保険へ加入したり、手続きをしないことで保障を受けられなかったりと、損するケースも。随時発信していきます!
知識を付けて、今より少しでも豊かな生活を送りましょう!
[…] 第5回 社会保険と国民保険どちらが得?今更聞けない違いを解説 […]