交渉というと刑事ドラマのワンシーンや商談を連想するのではないでしょうか?
ちょっと堅苦しくてネガティブにも捉えられがちな「交渉」という言葉は、実はとっても身近なものです。
交渉の基本を学ぶだけで大きな買い物で損しないだけでなく、コミュニケーションもスムーズになるかもしれませんよ♪
目次
日々、交渉!
交渉は高圧的な態度や押し売り的に相手にYESを迫ったり、言葉巧みに相手をコントロールして騙したりするというちょっとネガティブな印象がありますよね。
ですが、子どもが親に何かを買って欲しいとき、夫婦間での家事の分担、上司と部下との仕事の会話など相手に何かして欲しいとき…無意識に行っている行為の中に「交渉」は隠れています。
例えば相手がどこまでならOKと言ってくれるか、駄目だったときにはどうしようか、いつ相手に話そうかと考えますよね。
実はそれも交渉的な発想なんです!
ほとんどの人は、意識して交渉をするという習慣はありませんので、交渉の際に何に注意すればよいのかを知る必要があります。
普段、何気なくしているコミュニケーションを整理してみましょう。
住宅、自動車、家電など大きな買い物をするときに活かすことができるようになりますよ♪
交渉が始まる前に交渉は始まっている
お互いに得するようにしよう!
1度きりの関係なら値段勝負ですが、生活していく中でそんな場面はそう多くありません。
友人間であれば「前にお世話になったからちょっと高くてもいいかな」と思いますし、ビジネスでも長い目で利益がでるように考えますよね。
このようにお互いに納得がいくところで決着がつくことを目指すのが交渉なのです!
しかも、「長い目で見て交渉する」という機会は年々増えています。
フリマサイトでは売る側にも買う側にも「口コミ」など評価される項目があるので一方的なやり方はしにくいですよね?
車屋さんで自動車を買うのは1度きりに見えますが、お店や販売担当は評判を気にしますし、買う側もメンテナンスなど長い付き合いを考えると値段だけの勝負とは言えないのです。
自分の予算感を決める
実際に買いに行く前には予算を考えましょう。
まず意識するのはこれ以上無理という額です。
最低ラインをしっかりと決めておかないと、その場の雰囲気に流されやすくなってしまいます。
最低ラインを決めたらいくつか価格ゾーンもイメージしておきます。
- 迷わず買うゾーン
- オトクだと思うゾーン
- 妥当だと思うゾーン
- 無理すれば買えるゾーン
- 絶対に買わないゾーン
価格ゾーンを考えるためには事前に情報を集めておく必要があります。
自動車であれば何店舗か訪問して話を聞く、自宅のリフォームであれば何社か見積りを取っておくと良いでしょう。
インターネットで調べるだけでも大まかな金額を知ることができるはずです。
相手はどれくらい本気か考える
「決算大売り出し!」「在庫一斉セール!」というチラシを見たことがありませんか?
何かを買うにはタイミングが大切。
相手が売りたいと思っているときには値下げをしてくれることがあります。
逆に相手が「値引きしなくても買ってくれる人が居ればいいなぁ~」とのんびりしているなら交渉は難しくなるでしょう(汗)
エアコンなど季節品は相手が本気になるタイミングをインターネットで調べることもできます。
つまり、相手が本気の時期は早いうちに調べておかないと対応できないこともあります。
他に選択肢がないか考える
自分が欲しい物が目の前にあるものしかないなら「絶対に買わないゾーン」であっても、お金を払ってしまうことがあります。
例えば、ゴールデンウィークなど大型連休中の混雑で宿泊費が3倍になっていても予約することがあります。
これは他の安い宿を選びたくても予約が取れないからですよね?
このように交渉を有利にするには代案が必要不可欠!
他の選択肢があれば、交渉相手に強く出ることもできます。
もし買うモノが心のなかで決まっていたとしても、必ず他の選択肢があるか調べておきましょう。
交渉のキホンとは?
安易に条件を言わない、言わせない
買いたい値段と売りたい値段のゾーンが重なっていれば交渉が始まり、お互いが納得した値段で成立します。
そして、交渉では「最初の条件」がキーとなり最後まで影響してきます。
例えば車を買いたいときに自分では「100万円くらいかな?」と思っていたとしましょう。
お店の人が先に「価格は120万円です」と言ったなら120万円を基準にいかに値段を下げるかの勝負になります。
もし相手が「価格は90万円」と言ったならすぐに承諾してもいいですし、さらに値引きできるか聞くこともできます。
家電量販店であれば値札があるのでお店側の希望条件を知ることができますよね。
難しいのは「~をして欲しい」など値段ではなく要望の場合です。
そこで交渉の基準となってしまう「最初の条件」は慎重に言わなければなりません。
これは本気度ともリンクしてきます。
最初の条件を伝える前にはお互いの希望を知るために質問をしあうとよいでしょう!
相手には少しずつ情報を伝える
交渉は相手を騙すことではありません。
自分のことは隠して相手の情報だけ集めようという態度は「誠意がない!」という印象を相手に与えてしまい信頼関係が崩れることも…。
まずは住んでいる場所など交渉に大きな影響がない情報を伝えると、相手も少しずつ心を開いて行くでしょう。
相手のペースに乗せられないようにするには?
断ることを恐れない
相手にお願いすることもある交渉では、さまざまなテクニックが使われています。
代表的なものは、「相手にNOと言わせ続ける」というテクニック。
相手 「この商品はいかがでしょうか?」
あなた「いりません」
相手 「お話だけでも聞いてくださいませんか?」
あなた「いいえ」
相手 「資料を送りたいのでメールアドレスだけでも教えて頂けませんか?」
あなた「いいえ」
相手 「では、こちらのパンフレットだけでもご覧なって頂けませんか?」
あなた「それぐらいならいいですよ」
最後にYESと言ってしまっていますよね?
これは断りづけると「悪いな」と思う人の心理を利用したものです。
その他にも、相手へのプレゼントも代表例です。
ちょっと荷物を持ってくれたり、仕事を手伝ってくれたりと、相手に親切にしてもらうと何かお返しをしたいと思いますよね。
実はスーパーの試食品や無料グッズもこれに当てはまるのです。
このプレゼント作戦を交渉に使い、「こんなにたくさんプレゼントあげたんだから…契約してくれるよね??」と暗に迫ってくることも…(汗)
ですが大切なのは客観的に見たときに自分にとって受入れられない条件なら断る勇気を持つことです。
相手が悪意でなく純粋な気持ちであっても「流されている」と自覚して踏みとどまりましょう!
限定品ですよ!に流されない
「これが売れたら次の入荷は分かりません」「最後の1点ですよ!」
相手は良かれと思って事実を伝えているだけのことも少なくありません。
しかし、こうした言葉は無理すれば買えるゾーンで悩んでいる人の背中を後押ししてしまいます。
積極的にアプローチしてくることもあります。
例えば新築住宅購入の場面では「7割の方が内見して3日以内に契約を決めています!」「家は1点モノ!近くを通るたびに買えばよかったと後悔するかもしれませんよ?」などと限定心をくすぐるのです。
もし相手から急かされたり、決断を促す言葉をかけられたりしているなら一度冷静になって自分が最初に決めた条件とマッチしているか確認しましょう。
得したつもりで得をしてない
自分が買おうか迷っているときに「特別にこれもお付けします!」と言われたらトクした気分になりますが、実はそうでもないことがあります。
売りたい側にとってほとんど価値がないものか、予定済みのことかもしれないからです。
特別に付けてくれたものが本当に価値あるものなのか、相手の対応に自分の機嫌がよくなっただけなのか考えてみましょう。
自分の判断を疑うことも大切
人は一度決めた自分の判断を覆すことは難しいと言われています。
山の中で遭難した人の中には、客観的には道に迷っているのに「自分が決めた道は正しい」と思い続けてドンドンと奥深くに進んでしまった人もいます。
この人間の心理を利用される場合もあります。
「後からサービスが増える」のが代表例です。
例えば予算ピッタシの5万円のスマホを買う決断をして手続きをしているとしましょう。
手数料、補償サービス、定額利用プランなどついて最終的に10万円にまで膨らんでしまいました。
ほとんどの人が予算を大きく超えているのにも関わらず「しょうがないね」と購入を決めてしまいます!
これは「最初の5万円のスマホを買う正しい決断」を否定することができないからです。
しかし、冷静に考えれば追加された分は別の出来事だと分かるはずなのです…。
まとめ
交渉というとネガティブなイメージが付きまといますが、いつもの何気ないやりとりにもたくさん含まれています。
交渉はお互いを知る必要があり、相手を知ることで幸せになるコミュニケーションの方法とも言えます。
しかし、交渉のテクニックを利用する人もいないわけではありません。話に流されずに本当の自分の条件を確認しながら会話をするように意識してみましょう!