現代社会において、会社に頼らないで自分のスキルを高めていこうという意識は20~40代を中心に強くなっています。
社会人の30~40%が何かしらの自己啓発をしているのです。
その中でもトップに挙げられているのが資格取得。
今回はどんな資格を取得すればよいか、そこで陥りがちな「罠」についても学んでいきましょう!
目次
資格は武器になる
資格が無くても実務でバリバリ活躍している人もいますが、お客さん目線で見たときに不安を感じてしまう…という経験はありませんか?
資格には「品質保証書」の役割があるので、誰に対しても自分のレベルを証明することができます。
取引先や顧客へのアピールにもなるだけでなく、転職にも有利です。
資格勉強は地道で退屈な方法
今の時代は効率やコツなど、いかに苦労しないかばかりがもてはやされています。
インターネットでは「手っ取り早くお金持ちや幸せになる方法」なんて広告がたくさん。
その方法が嘘か誠かは置いておいて、資格勉強はとにかく地道です。
数週間で取得できる資格もありますが、仕事として認められる資格は学習時間が長くなります。
例えば2級ファイナンシャル・プランニング技能士を例にしてみましょう。
モデル勉強時間は300時間。
平日:2時間×5日
休日:8時間(1日は休み)
週18時間で月72時間。
つまり4~5ヶ月は継続しなければなりません。
「毎月72時間、残業と休日出勤が可能ですか?」
このように言葉を変えるとさらに厳しさを感じるのではないでしょうか。
しかも机にいれば良いだけではなく、勉強をこなさないとゴールにたどり着きません。
休日8時間勉強するためには休憩、食事、トイレなど含めると10時間以上も拘束されてしまいます。
ここからは、頑張って資格を取りたい!キャリアアップしたい!と思っているあなたに注意してほしいポイントを3つご紹介します。
①目的意識をはっきりさせないと挫折する
出鼻をくじくようですが、資格取得には犠牲や苦痛が伴います…(涙)
時間のかかる資格勉強を達成するためには、高いモチベーションを維持するための「目的」が必須。
ただ漠然と将来のために…では挫折してしまうのです。
そこで、なぜその資格が必要かをハッキリさせましょう。
理由を深掘りしていくと「自分の欲」に向き合うかもしれません。
「将来ラクしたいから」「肩書を自慢して周りを見返してやりたい!」など人によってはネガティブと思われる感情も、立派な目的になります。
②資格を取得した後も考える
資格をたくさん持っているけど活用できていないという話はよくありますよね。
関係性が無い資格ばかりなら不安を埋めるために取得しているだけかもしれません!
資格は活用されてこそ意味があります。資格を取得した後にどのようなキャリアを描きたいのかまでしっかりと考えましょう。
考えるうちに自分に最適な方法が見つかる可能性もあります。
③学習教材の罠にはまらない
ワラにもすがる気持ちのときは要注意
資格には国家資格と民間団体の資格があります。
国家資格の代表は弁護士や医師でその技能や知識を国がお墨付きをくれています。
一方、整理収納アドバイザーやキャリアカウンセラーは民間団体の資格です。
どちらが優れているということではなく自分の将来像を実現してくれる資格であることが大切です。
しかし、その資格が「取得すれば確実に儲かる」という謳い文句のものなら一旦ストップ。
セミナーへの参加や教材購入で資格を貰えるような、お金と引き換えの資格はキャリアアップには繋がりにくいかもしれません…。
何十万円とする受講費がかかるスクールも要注意です。
例えばプログラミングやWEBデザインのオンラインスクールが数多く販売されていますが、中には内容に釣り合わないものもあります。
これらは国家資格に関する教材やスクールも同じことが言えます!
意外にも多くの人が、多額のお金を払ってしまっているのが現状。
今の状況をどうにかしたいと焦っているときに解決方法をお金で買おうとしてしまうのです。
そういった人の心理を利用した資格やビジネスはたくさんあります。
自己投資を逃げ道にしない
資産運用よりも自分に投資するのが一番よいという考え方もあります。
食べ物、物、旅行にお金を使うことは消費や浪費ですが、自己投資はさらにお金を生み出す可能性があるからです。
こういった大義名分があるとセミナーや教材に使ってしまうリスクが高くなります…。
高度な知識を効率よく学ぶためには数万円~10万円程度の教材を買わなければならないことはあります。
ですが、資産運用と同じように余裕資産を使うようにしましょう。
借金やローンを組む必要があるなら商品自体が怪しい可能性もあります。
雇用保険の教育訓練給付金を活用する
会社員ならほとんどの人が加入している雇用保険。
失業中に失業給付が貰えたり、育休や介護中の生活を支えてくれたりと心強い制度です。
雇用保険にはキャリアアップを後押しする教育訓練給付金制度があり、在職中であっても会社を通さずに利用することもできるんですよ!
雇用保険にある訓練制度のうち利用しやすいのは「一般教育訓練」です。
雇用安定や就職促進のために厚生労働大臣が指定する教育訓練が対象とされています。
受講が終了すれば支払った費用の20%、最大10万円(最低4,000円以上から対象)までが支給されることになります。
例えば、受講費60万円なら上限まで10万円、受講費10万円なら2万円が支給されます。
国が指定するだけあって転職やキャリアアップに効果が出やすいものが多いのも特徴です。
- 宅地建物取引士、社会保険労務士、行政書士、ファイナンシャルプランナー
- 簿記2級 建設業経理2級
- 社会福祉士、介護福祉士、ケアマネジャー、医療事務、調剤薬局事務、登録販売者
- 電気工事士、危険物取扱者、ボイラー技士
- ITパスポート、カラーコーディネート、インテリアコーディネーター
これらは一部ですが入門資格から難関資格まで数多く対象になっています。
どんな資格を取得するかまず指定されている講座から考えるのもよいでしょう!
この制度を利用するには要件があるので注意が必要です。
厳しいものではありませんが人によっては満たさない場合もあります。
- 初めて利用する場合は雇用保険の加入期間が1年以上
- 2回目以降は前回受講開始から雇用保険加入期間が3年以上かつ前回の支給決定日から3年以上
まとめ
資格は自分の力を証明することができ、うまく活用すれば起業することもできます。
しかし取得には大きなエネルギーが必要なので、自分がどうなりたいかハッキリと目的を決めないと挫折してしまうこともあります…(涙)
目先の儲け話に気を取られるとセミナーや教材にお金を払って、成長した気分になっただけで終わってしまうこともあります。
行政の支援制度も利用して賢くキャリアアップを目指しましょう!