お歳暮やクリスマスプレゼントなど
何かを貰うということはよくありますよね。
ライフイベントに合わせて
お金を貰ったりしたときに
税金がかかってしまう
というケースがあるのです。
良かれと思っても、注意しないと思わぬトラブルに発展するかもしれませんよ。
目次
贈与ってどういうこと?
誰かが相手にタダで財産をあげることを「贈与」といいます。
一方的なものではなく
お互いに「あげます」「もらいます」と合意してないとダメで
相手が「いらない!」と言うなら贈与にはなりません。
贈与は口約束でも成立しますし、契約書のような書面をつくって行うこともできます。
大きな金額の場合は
後のトラブルを避けるために書面を作ることが多いでしょう。
さて、贈与と一口に言っても
4つの種類に分けられています。
単純贈与
普通の贈与です。
例:AさんがBさんに「100万円をあげる」
定期贈与
定期的に一定額の財産を贈与するケースです。
例:AさんがBさんに「毎年100万円をあげる」
負担付贈与
贈与する代わりに貰う人に何かをしてもらうことを条件にすることです。
例:Aさんが自分を介護する代わりに
Bさんに100万円をあげる
死因贈与
贈与する人が死亡することを条件とするものです
例:Aさんが死亡したら
Aさんの自宅をBさんにあげる
贈与税ってなに?
贈与には条件によって税金がかかります。
いつ税金がかかるか知らないと
「脱税」とみなされる可能性もあります。
逆に贈与をうまく使えれば、相続税を減らしたりすることもできますよ♪
贈与税は、国が課税する「国税」で、貰った側が払うものです。
贈与税の対象となるものは広く設定されています。
本来の財産
預貯金だけではなく
株式、土地、建物、骨董品、貴金属などです。
お金に換算できるものすべてが対象です◎
贈与とみなされる財産
本来の贈与と同じような、経済効果がある財産を『みなし贈与財産』と呼びます。
税金逃れ対策としても設定されています。
・生命保険など
「保険料を支払っていない人」が満期による保険金を取得したときです。
・低額譲渡
500万円の土地を「10万円でいいよ」と破格の値段で貰った場合などです。
差額の490万円が対象となります。
・債務免除
Bさんの借金をAさんが肩代わりして支払ってくれた場合です。
Aさんが支払ってくれた分が贈与とみなされます。
非課税とされるもの
贈与はすべてが対象ではなく
対象にならないものがあります。
- 会社からもらった財産(所得税の対象となります)
- 個人から会社への財産を移転した(法人税の対象となります)
- 親が子供に生活費や教育費を払うもの(通常必要と考えられる分まで)
- お祝い、香典、お歳暮、見舞金など
- 相続で財産を得た人が、相続開始の年に被相続人から受けた贈与財産(相続税になります)
- 離婚による財産分与
贈与税の計算方法
相続税は1人ごとに
1月1日~12月31日でカウントしています。
そして申告は
翌年2月1日~3月15日までに
行います。
贈与税の計算式は
( 課税価格 - 基礎控除110万円 )× 税率 – 控除額 = 贈与税額
「基礎控除110万円って何?なんで引かれるの?」と疑問に思いますよね。
実は、1年間に貰った財産合計が110万円以下なら贈与税はかかりません。
申告も不要です。
なので
それ以上の金額に相当する財産を贈与された場合には
110万円を引いた金額が課税対象になるのです◎
税率と控除額は贈与額によって定められています。
特例贈与財産は親や祖父母から贈与された分のことで
一般よりも税金が安くなるように設定されています。
▲国税庁WEBサイト「贈与税の速算表」より
例えば4,000万円を
親から贈与された場合は
( 4,000万円 - 110万円 )× 50% - 415万円 = 贈与税額1,530万円
4,000万円を貰えたとしても
1,530万円もの相続税を支払うことになります。
現金で4,000万円なら
その中から差し引いて納付することができますが
現金ではなくモノでもらった場合には
「こんな金額支払えないよ!」と
泣きたくなってしまいますよね(涙)
納付について
原則として申請書の提出期限までにお金で一括納付します。
5年以内の延納も認められますが利子税が追加でかかってしまうデメリットもあります。
延納するには
- 税額が10万円を超えている
- 支払えない事情がある
- 担保を用意する
- 税務署長の許可を得る
- 必要がありますよ。
いろいろな支援制度
意外と高くつく贈与税とはいえ
縛りすぎると生活に支障がでてしまいますよね。
そこで家族に関するものを中心に非課税枠が拡大されています。
贈与税の配偶者控除
基礎控除110万円に加えて
戸籍上の婚姻期間が20年以上の夫婦間では
2,000万円が非課税になります。
ただし、一生に一度だけで
住むための家・土地を買う目的のみとされます。
結婚・子育て資金の一括贈与
2023年3月31日までに親から子へ
祖父母から孫への贈与には
1,000万円(結婚費用は300万円まで)が
非課税となります。
ただし、子と孫は
18歳以上50歳未満が対象です。
税逃れ対策として
贈与した親・祖父母が死亡したときに、使われずにお金が残っていると
相続税の対象となってしまいます。
ちゃんと使われたかを把握するために
金融機関に信託などするのも条件とされています。
教育資金のための一括贈与
2023年3月31日までに
30歳未満の子と孫に教育資金を贈与した場合は
1,500万円(学校など以外に支払われる場合は500万円まで)が
非課税となります。
ただし、子と孫の
前年の年間合計所得が1,000万円を超えていると、貰うことができません。
結婚・子育て資金の一括贈与と同じく
金融機関に信託などする必要があります。
原則として親や祖父母が死亡時に
残額があると相続税の対象になります。
まとめ
贈与税に出くわす場面は
少ないと思うかもしれません。
ですが、贈与税の基礎控除は
1年間で110万円と決して大きくはありません。
例えば
車を購入しようと親に相談をしたら親がお金を出してあげる、というやりとりはありえます。
贈与金額が大きければ贈与税の対象になるかもしれません。
税金は「知らなかったから」
という言い訳を聞いてはくれません。
追加で課税されてしまうこともありえます。
逆に贈与税を知れば
節税のヒントにもなりますよ♪