今月はたくさん残業があって
大変だったけど
給料が多くて嬉しいな♪
と思うことが多い残業代。
基本給が少ないから
残業代で稼ぐのが
一昔前の働き方でもありましたよね。
残業代はよく知られた
「割増」以外にもルールがあります。
今回は残業代の仕組みについて
学んでいきましょう!
目次
残業は違法!?
残業は当たり前にあるものだと
思っていませんか?
労働時間は一週間あたり
40時間を超えることが
許されません。
許されるのは災害が起きたとき
公務、労使協定(36協定)を
締結した場合のみです。
ほとんどの企業は
労使協定を結んで
従業員に残業をしてもらっています。
ただし、労使協定には
週40時間を超えて働かせたという
罪を負わなくていいだけで
残業が合法であると
法律は言ってはいません。
ちょっと遠回しな言い方ですが
「違法を見逃してあげてるだけ」という
ニュアンスなのです!
ですので、なるべく会社側に
残業をさせないようなルールが
「残業代」です。
残業代は割増賃金の1つ
労働時間が長いほど
人は心身共に病気になりやすくなる
という研究があります。
労使協定で
時間外労働や休日労働を
させることはできますが
やはり少ないほうがいいですよね。
他にも体に負担が大きい
深夜労働(午後10時から翌日午前5時)も
よくありません。
労働基準法では労働時間を短く
深夜に働かせないようにするために
割増賃金を考えました。
残業代(時間外労働)は
割増賃金のルールをベースに
考えられています。
ですので、休日労働、深夜労働も
同じルールを使って計算がされています。
どのぐらい割増がされるの?
割増はどれぐらいされるのか
見てみましょう!
時間外労働 | 60時間以内の場合 25%以上
60時間を超えた場合 50%以上 |
深夜労働 | 原則午後10時から翌日午前5時まで
25%以上 |
休日労働 | 35%以上 |
では、時間外残業と深夜労働を
同時にした場合はどうでしょうか?
時間外労働の時間が
60時間以上の場合は
時間外労働 25% + 深夜労働25%
= 50%以上 となります。
例えば
時給1,000円×50% = 時給1500円
これが正解です。
間違いやすい計算式として挙げられるのが
以下の式です。
(時給1,000円×25% )×25% = 時給1562.5円
これは間違いなので注意して計算しましょう!
ちなみに時間外労働と休日労働の
組合せはありません。
そもそも休日労働は法定労働時間から
あふれている分なので
時間外労働が発生しようがないからです。
また割増率は「以上」なので
休日労働35%を40%とすることは
合法です。
担当者も間違えている!?残業代の計算方法!
残業代の割増率は
知っているよという人は
多いでしょう。
計算の基本となる
「単価」は知っていますか?
と聞かれると
意外と分かりませんよね。
時給制は「時給×割増率」
となるので簡単です。
月給制は「月給 ÷ 1ヶ月の所定労働時間数」
と難しくなります。
月給制では1時間あたりの単価を
計算しなければなりません。
担当者も計算方法を勘違いしていて
賃金不払いとなってしまうこともあります。
わかりやすくするために
「月給」と「1ヶ月の所定労働時間数」に
分けていきましょう!
勘違いが多い「月給」の範囲
基本的には基本給と
固定で支給されている手当の
合計のことです。
基本給20万円+資格手当2万円+役職手当3万円
= 25万円
というイメージです。
不適切としてよく指摘されるのは
基本給だけを対象にしている場合です。
月給が少ないので
残業代も減ってしまいます!
ただし通勤手当、住宅手当
別居手当、家族手当、子女教育手当や
ボーナスは含まれません。
なぜなら働く人の能力に
関係ないものまで割増する必要はない
と考えているからです。
1ヶ月の所定労働時間数とは
週5日×8時間×4週 = 160時間 のように
決められた時間数です。
繁閑の差がある業種だと
「1年間の所定労働時間数」を
12ヶ月で割った数を
基準とすることもあります。
実際に割増賃金を計算してみよう!
労働基準法の原則のルールで
割増賃金を計算してみましょう。
【例】
・1ヶ月の所定労働時間数 160時間
・その月の残業時間20時間
基本給 | 30万円 |
管理手当 | 5万円 |
技能手当 | 3万円 |
住宅手当 | 2万円 |
合計 | 40万円 |
まずは基準となる時給を
計算しましょう!
住宅手当を引いた
月給38万円 ÷ 160時間 = 2,375円
時給は2,375円だと分かりました。
割増率を25%とすると
2,375円×25% = 2,969円(四捨五入)
となります。
今月は残業が20時間なので
時給2,969 円× 残業20時間 = 59,380円
残業代は59,380円ですね
よくがんばりました!
割増賃金が支払われない人もいる
「管理職になると残業代が出なくなる」
というのはホントです!
時間外労働などを命ずる立場なら
「自分の意志で働く時間を決めることができる」
と考えられるからです。
ただし肩書だけの管理職など
実態が伴っていない人は
残業代の出る対象になります。
自然の影響を受けやすい農業、畜産業
養蚕業、水産業も対象から外されています。
また秘密の事務を取り扱う者
たとえば社長秘書のように
経営者と一緒に行動するような人も
対象外なんです!
まとめ
割増賃金の1つである残業。
お金がたくさん貰えて嬉しい反面
長時間労働は心身に良くないことが
分かっています。
残業時間を抑えるための手段が
「割増賃金」です。
割増賃金の計算方法は
誤解をしている担当者もいて
賃金不払いとなっている
可能性もありますから注意しましょう。