副業や起業したい!
そのためにはアイディアやスキルを活かしてお客様に届けられるビジネスを見つけなければなりません。
さらに成長するビジネスである必要もあります。
そんなの何も思いつかない…と頭を抱えてしまうかもしれません。
ですが、新しいビジネスを考えるにも基本的なモデルがあるのです。
目次
人・モノ・お金・情報・時間・知的財産を確認しよう!
ビジネスを始めるときにはお金が足りるか気にするだけではなく、自分が持っているものを確認することが大切。
ノートに書き出してみると冷静に分析することができます。
典型的な要素は人、モノ、お金です。
とくにビジネスを実際に進めていく「人」は重要。
自分自身のことも含むため客観的な分析も必要になります。
モノはパソコン、車、事務所、製造設備で利益を生み出すために必要なものです。
お金は現金だけでなく株式など金融資産も含まれます。
今では情報、時間、知的財産もビジネスには欠かすことはできません。
インターネットにより市場動向やSNSなど情報の価値は跳ね上がっています。
世界の変化も早くなり時間を上手く使えるかが大きな差になるのです。
そして、ノウハウやブランド力などの知的財産もビジネスの成功のカギとなります。
お客様が欲しいものはなに?
趣味とビジネスの大きな違いは、ニーズに対応する必要があるかどうかです。
趣味であれば自分が好きなものを作ることができますが、ビジネスでは相手の要望を満たす必要がでてきます。
例えば絵描き向けの筆・ブラシを製造している会社があったとしましょう。
自分のビジネスを「筆・ブラシの製造」か「お客様が表現する方法を届ける」と考えるかで未来は大きく変わります。
後者であればパソコンでも絵がかけるペンツールを開発するかもしれませんよね?
リスクとリターンから考える
ビジネスを始めるときには先に活動している個人や会社がいます。
まずは自分がどのポジションから市場に飛び込もうとしているのか考えましょう。
それには市場と自分の商品・サービスを既存と新規に分ける方法があります。
▲経済産業省 「アンゾフの成長マトリクス」より
「既存製品 × 既存市場」は手堅い商売ですが大儲けはできません。
「新規製品×新規市場」はハイリスク・ハイリターンとなります。
一番安全な「既存製品 × 既存市場」から「既存製品×新規市場」か「新規製品×既存市場」に移動する流れが一般的といえます。
まったく新しい商品・サービスや市場はなかなかありません。
小規模の起業ではすでにある市場や商品・サービスを徹底的に模倣する動きが多くみられます。
シナジー効果を考える
変化の激しい現代では1つの事業だけではなく、いくつかのビジネスを同時に展開することもあります。
これはシナジー効果を狙ったものともいえます。
シナジー効果とは1+1=2ではなく、1+1=4のようにお互いが力を引き出し合うことをいいます。
例えば「WEBサイトの作製」と「WEBライター」はそれぞれ違うビジネスで求められるスキルも違います。
ですが、同時展開することでWEBサイトを作る案件を受けた際に、WEBサイト内のコラム記事の作製もすることができます。
依頼者からすれば1回の取引で運営管理まで含めたすべての業務を任せることができるメリットがあるのです。
シェアと商品・サービスの価格から考えてみる
▲中小企業庁 「中小企業の競争戦略」より
コスト・リーダーシップ戦略
業界全体をターゲットにして低価格で勝負する戦略です。
商品は大量に生産するほど1個あたりの値段は安くなります。
作業をこなすほど改善が進んだり、材料を安く仕入れたりと効率化が図りやすいからです。
コスト・リーダーシップではIT技術を導入しやすくより効果が得られるメリットがあります。
ただし、大きなシェアを持っていなければなりません。
例えば自動車産業なら「トヨタ」アパレル業界なら「ユニクロ」など業界のトップ企業が選ぶ戦略です
差別化戦略
業界全体をターゲットにして独自路線で戦うのが差別化戦略です。
コスト・リーダーシップ戦略をとる相手と戦うための戦略とも言われています。
例えば、ハンバーガーの「マクドナルド」はコスト・リーダーシップ戦略をとっています。
駅前などの好立地に低価格で展開するマクドナルドに勝つことはできません。
そこで少し離れたところで少し値段を高くして高級感と味で差別化しているのが「モスバーガー」です。
差別化戦略は日本の中小企業では2番目に人気がありますが、業界全体を対象とするためある程度のシェアがないと効果を発揮しにくい面もあります。
コスト集中戦略
特定のターゲットに低価格でアプローチするのがコスト集中戦略です。
アパレル業界の「しまむら」が代表的で婦人やファミリー向けにターゲットを絞って低価格な品を取り揃えています。
ターゲットを絞るため中小企業でも選びやすいように見えますがあまり好まれていません。
低価格を実現するために経営体力が必要で「薄利多売」の構造になるリスクもあるからです(汗)
差別化集中戦略
特定のターゲットに独自路線で挑むのが差別化集中戦略です。
ライバルが少ない市場で自分たちにしかない商品・サービスで挑むことで成功率を高めます。
日本の中小企業でもっとも好まれる戦略といえるでしょう。
少ない経営資源を集中してすることもポイントです。
コスト集中戦略と違って高い値段で売ることができて高い利益も見込むことができます。
一方で、将来が予想しにくいデメリットもあります。
起業では独自性が大事だと考えてしまいがちですが、リスクを取りすぎていないか冷静な分析も必要ですよ?
自分の実力から立ち位置を考える
ビジネスでは自分がどの立場でいるのか常に理解する必要があります。
自信満々の人が出鼻をくじかれてしまった、逆に思ったよりも評判がよかったという話がありますよね。
これは正しく理解してなかった結果でもあります…。
自分のポジションを知るには人・モノ・お金・情報・時間・知的財産の「量」と「質」が業界内でどれだけあるかで考える必要があります。
リーダー
経営資源の質と量ともにトップクラス。
シェア拡大、ブランド力を強化が効果的です。さらにシェアの小さい企業が打ち出した独創力のある製品・サービスと似たものを展開してリーダーの地位を守ります!
チャレンジャー
リーダーに挑戦する立ち位置です。
経営資源の量は多いですが質が不足しています。
差別化戦略によってリーダーにはない魅力で勝負します。
ニッチャー
経営資源は少ないですが質はよいポジションです。
狭い分野でなら十分に戦えるので、リーダーやチャレンジャーが取り組んでいない市場で活躍します。
専門スキルのある個人、小規模事業者、ベンチャー企業はニッチャーのポジションを狙うとよいでしょう!
フォロワー
経営資源の質も量も少ないというポジションです。
リーダー、チャレンジャー、ニッチャーが展開する商品を模倣するのがよいと言われています。
フォロワーは業界の下位で、現実の起業では多くがフォロワーに位置します。
独創力や経営力が無ければ起業してはいけないわけではなく、戦略としてもしっかり存在しているんですよ!
ディファクトスタンダードや依存レベルに要注意
変化の激しい時代ではちゃぶ台がひっくり返されるような事態も起きやすくなっています。
ディファクトスタンダードとはビジネスの結果、みんなが当たり前に使うようになった商品・サービスのことをいいます。
身近なものではマイクロソフトのOSであるWindows、Googleのクラウドサービスや地図アプリがあります。
ディファクトスタンダードが切り替わる「前」のビジネスをしていると存続の危機が訪れるリスクもあります。
例えば、ガラケーからスマホに切り替わったときには日本国内のガラケー向け製造工場は一気に閉鎖され、多くの人が仕事を失うことになりました。
また、自分のビジネスが何かに依存しているのも注意が必要です。
動画配信ならYouTube、物の販売ならAmazonなどのプラットフォームが方針を変えただけで収益が急激に悪化するリスクがあります。
さらに日本に住んでビジネスすることは「日本国」に依存しているとも言えます。
まとめ
起業を考えるには「型」を利用すると冷静な分析ができます。
上手く利用すれば自分のポジションから適切な方法を知ることもできます。
不安なことだらけの起業では、物事を整理して考えることでストレスも減らすことができるのではないでしょうか!