![質問者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/09/dom-think.png)
この章では相続税の基本について解説します。
大切な家族が亡くなってしまい
葬儀などのドタバタが落ち着くと問題にあがるのは「相続」について。
相続の仕方によっては
「相続税」として
多額のお金が必要になってしまう
ケースもあるのです…。
![質問者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/09/dom-think.png)
目次
どんな人が対象になるのか
相続は
亡くなった人が持っていた財産を受け継ぐことです。
この「財産」とは
お金のようなプラスのものだけではなく
借金などのマイナス分や
土地などに紐づく権利も
対象となってしまうのです…(涙)
![質問者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/09/dom-think.png)
法律では
亡くなった人のことを被相続人といい
財産を受け継ぐ人を相続人といいます。
相続人は誰でもなれる訳ではなく
「範囲」と「優先順位」が定められています。
配偶者は最も強い権利を持っていて
常に相続人になることができます。
次に強いのは子どもです。
もし子どもがいない場合は
被相続人の父母や祖父母が相続します。
子どもも父母や祖父母もいなければ
兄弟姉妹という順番です。
![質問者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/09/dom-think.png)
ただし!!!
悪いことをした人は
対象から外されてしまいます。
少しネガティブなお話になりますが…
相続人が被相続人を殺害したり
騙す・脅迫で遺言書を書かせたり
した場合は「法的」に対象外となります。
![質問者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/12/01-e1638597825402.png)
また
相続人が生前の被相続人を虐待していた
侮辱的な振る舞いをしていた
という場合
生前に家庭裁判所で手続きをしておけば
相続権を排除することができるのです。
更に
その旨を「遺言書」に書いておけば
意思表示とみなされます。
さらに、相続は財産だけではなく
借金などの負債も引き継ぐことになるため
相続を「放棄」することもできます!
これにより法的に
「初めから相続人ではなかった」
こととして処理がされます。
「でも、全部を放棄しちゃうのはちょっとなぁ…」
と思う人もいますよね?
そこで相続と放棄の中間的な制度として
「限定承認」もあり
相続する負債を限定することもできるのです。
相続するかどうかは
相続があることを知ってから
「3ヶ月以内」に決めなければなりません。
3ヶ月もあるから大丈夫♪
と思っていても
さまざまな手続き、片付け
書類準備もあります。
あっという間に過ぎてしまうので要注意!
![質問者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/12/02-e1638597916247.png)
どれぐらい貰えるの?
相続は被相続人(亡くなった人)の思いを
なるべく反映するように考えられています。
ですが
現実には遺言を残す人はごく少数です。
そこで法律で原則的な財産の分け方を決めて
トラブルを防止してくれています。
これを法定相続分といいます。
法定相続分とは
①配偶者と子どもが相続人である場合
配偶者1/2 子ども(2人以上のときは全員で)1/2
②配偶者と直系尊属が相続人である場合
配偶者2/3 直系尊属(2人以上のときは全員で)1/3
③配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合
配偶者3/4 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)1/4
★用語解説★ 直系尊属・・・被相続人(亡くなった人)の父母とそれより上の世代の祖父母や曽祖父母など(養父母も含む)
子ども、直系尊属、兄弟姉妹が
それぞれ2人以上いるときは
原則として均等に分けます。
相続者の間で話がまとまらなかった時に
使われるものなので
この割合でなくてはダメ!
というものではありませんよ。
とはいえ
相続争いの結果1円も貰えない…(涙)
というのはあまりにも可哀想なので
最低貰える割合を遺留分として
保障してくれています。
父母・祖父母など直系尊属だけが相続人の場合は
相続財産の1/3配偶者と子どもは1/2となります。
なお、被相続人の兄弟姉妹に遺留分はありません。
![質問者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/12/01-e1638597825402.png)
相続税の計算の考え方
基準の価格を出す
相続税の課税対象となる財産の
「課税価格」は以下の通りです。
①本来の財産
②みなし相続財産
③相続開始前3年以内に贈与を受けた財産
④相続時精算課税で贈与を受けた財産
課税価格 = ①②③④の合計 - 債務控除
難しい用語がたくさん出てきてわからない~!
とパニックになっちゃいますよね(涙)
大丈夫、一つずつ見ていきましょう♪
「本来の財産」は
お金、不動産、骨董品など
経済的価値のあるもの全てです。
「みなし相続財産」は
死亡保険金など実質的な財産とされるものです。
「相続開始前3年以内に贈与を受けた財産」は
亡くなる前3年以内に
亡くなった人からお金をもらっていたり
土地をもらったりした分です。
これは、税金逃れを防ぐための制度です。
「相続時精算課税で贈与を受けた財産」は
相続時精算課税制度を利用していれば加えられます。
☆用語解説☆ 相続時精算課税制度・・・被相続人が生前に相続人となる人に贈与した金額に対して2,500万円までなら贈与税を納めなくていいですよ~という制度。
その代わり
亡くなった時に相続税額を計算して一括して
相続人が「相続税」として納税してくださいね
という決まり。
ただし
死亡保険金、死亡退職金、被相続人の勤務先からの弔慰金
墓地などは一定額まで非課税となります。
課税遺産総額を出す
課税価格が分かったら
基礎控除額を差し引きます。
例として課税価格が1億4,800万円で
配偶者と子ども2人の場合を見てみましょう。
- 基礎控除額は3,000万円+(600万×法定相続人の数)
- 1億4,800万円 – 3,000万円+(600万円×3人)=1億円
つまり、財産が3,600万円以下なら
相続税は0円ということです。
ここで分かった金額を「課税遺産総額」といいます。
相続税を計算する
ここでは課税遺産総額を法定相続分で分割をします。
- 配偶者 1億円×1/2 =5,000万円
- 子ども 1億円×1/2×1/2 =2,500万円
- 子ども 1億円×1/2×1/2 =2,500万円
さらに、各人の課税遺産総額に対応する相続税率を
速算表から当てはめて、総額をだします。
▲国税庁HP 「相続税の税率」より
- 配偶者 5,000万円×20% – 200万円 =800万円
- 子ども 2,500万円×15% – 50万円 =325万円
- 子ども 2,500万円×15% – 50万円 =325万円
- 相続税の総額=1450万円
相続税を各員で分ける
最後に、相続税の総額を
「実際」に相続した分に従って分けていきます。
- 配偶者 1,450万円 × 1億/1億4,800万 =約980万円
- 子ども 1,450万円 × 3,000万円/1億4,800万 =約294万円
- 子ども 1,450万円 × 2,000万円/1億4,800万 =約196万円
このようにして
納めなければならない相続税が
決定していきます。
この例では数百万円単位のお金が
必要になってしまうのです。
![質問者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/12/06-e1638598538536.png)
親族が財産はないから安心しろと言っていたのに
いざ確かめていたら
「実は持っていた土地が値上がりしていて…」
という例は実際にあるのです。
まとめ
相続税は、普段わたしたちには
馴染みのないものです。
人の不幸に関係するため
家族間でも話し合う機会も少ないでしょう。
ですが、しっかりと準備をしておかないと
その時になって慌ててしまいます。
相続税の計算でまずつまずくのが
「財産と負債がどれだけあるのか」を
まとめることです。
![解答者の写真](https://wl.worbo.net/wp-content/uploads/2021/09/dom-joy.png)
家族内で機会を見つけて
一覧を作成しておくと良いでしょう。
まだ若いし、財産も少ないから…と思っても
いざという時、大切な人のためにも
準備しておいて損はないですよ。