求人広告でよく見かける派遣社員は、今では一般的で柔軟な働き方と考えられています。
しかし、派遣社員にネガティブな印象を持つ人も少なくありません。
理由として不安定さ、賃金やキャリアップの不安を挙げる人が多いようです。
ですが、これは本当なのでしょうか?
今回は派遣社員としてキャリアップする方法について学んでいきましょう!
目次
日本は慢性的な労働者不足
少子高齢社会である日本では従業員が足りていると思う企業の方が少数派。
今では企業は月に1人採用するのも難しい状況です。
バブル崩壊から就職氷河期と言われた2000年前半までは、最低賃金の仕事に何十人もの応募者が殺到する時代でした(汗)
今では不況であっても非正規雇用の人材を手放すのはリスクと考えられ、ほとんどの産業で人材募集が続けられているのです。
派遣社員というと不安定さが取り上げられますが、実は景気を理由に就職難…というケースは多くありません!
少子高齢社会、働き方改革、新型コロナウイルスの流れも柔軟な働き方を後押ししました。
働き手を確保するためには企業も変化を求められたからです。
今では派遣社員を「パートナー」として捉える企業が多いと言えるでしょう。
派遣社員のメリット
常用型の仕事も多くて賃金も高い
派遣会社で登録をして毎日働く場所が違うというイメージが強い派遣社員。
実は約4割が常用型の雇用と言われています。
常用型は年単位で働く場所や部署が同じでフルタイムなので、一般のサラリーマンと変わらないのです!
賃金も需要と供給によって変わるので人手不足であったり、高いスキルを持っている人材であったりすると賃金はどんどん高くなる傾向があります。
一部上場企業の製造業を例にしてみましょう。
その会社で年収600万円台の製造系エンジニアがいた場合、同じ業務をする派遣社員の年収が800万円ということは少なくありません。
製造ラインでも直接雇用のパート社員が時給1,000円で、派遣社員の時給が1,300円ということもあるんですよ!
自分の専門分野に集中できる
派遣では働く条件や仕事内容が契約で決まっていて、その内で働くことになります。
判断したり管理したりするポジションでなければ、責任は正社員より少ないのです。
日本特有の働き方として、どこまでが自分の責任範囲か決まっておらずムリして働いてしまう人も少なくありません。
派遣社員なら正社員よりスペシャリストとして、スキルを磨いて経験を積みたい人にも向いていますよ♪
過酷な労働環境に陥りにくい
仕事とプライベートを両立したい人にも向いています。
企業にとって派遣社員は「外部の人」という立場が強くなります。
正社員のように、退勤時間を過ぎても帰らせてくれないということもありません。
直接雇用ではサービス残業ということもありえますが、派遣は企業と派遣会社のビジネスとして行われるので働かせたら支払わなければなりません(汗)
しかし、「外部の人」ではあっても人間関係としては直接雇用と派遣であるという差はほとんど感じません。
一緒に働く仲間として接してくれるでしょう。
相談しにくい仕事内容や、ハラスメントは営業担当が交渉や問合せをして働きやすい環境を作ってくれます。
さまざまなキャリアアップの方法
社内外の研修を利用する
派遣社員は「外部の人」だからこそ働きやすいことも。
雑務や担当外の仕事に時間を取られることがなく、専門性に特化した経験を積むことができるということです。
一方で、働く場所によっては補助業務ばかりで高いスキルを身に着けられないリスクもあります…。
そこで派遣社員で働く場合には積極的に研修などで知識やスキルを身につける必要もでてきます。
派遣会社も派遣社員のスキルが上がれば企業に対して待遇向上を交渉しやすくなるので、多くの派遣会社では研修やEラーニングの導入に積極的です。
労働者派遣法でも派遣会社は教育訓練計画を定めて、無償で長期的なキャリアアップ支援をしなければならないと定められています。
派遣会社だけではなく、実際に働いている企業からのOJTや研修のバックアップも期待できます。
派遣会社で正社員になる
家族から「派遣ではなく正社員にしなさい」と言われたという人もいます。
しかし、派遣=非正規というイメージは正しくはありません。
派遣会社で正社員として雇用されていて、派遣されることもあるからです。
特に技術職ではよく見られるスタイルで、さまざまなプロジェクトに参加しています。
最初は契約期間があっても契約更新を経て、正社員となる人も少なくありません。
派遣会社にとっては「自社の正社員」なので定期昇給や昇進の対象になります。
本社での業務、社内行事にも参加する機会や打ち合わせの機会が増えるので、社会的にも一般的な会社員と変わりません。
派遣先に移籍する
派遣先で数年働いていればその部署の仕事を習得していることでしょう。
頼られる存在になったり、自分にしかできない仕事ができたりすることもあります。
企業としても育てた人材を手元に置いておきたいと感じますよね。
そんな時、派遣会社が相手企業から移籍の相談をされる…なんてことも珍しいことではありません!
特に、大企業の採用は「大卒であること」など、ルールが厳しいことも。
ですが派遣からのステップアップなら採用しやすく、優秀な人材を受け入れるための「裏口」として利用している場合もあります。
派遣会社としては本人が望めば、取引継続を前提に移籍を承諾することが多いようです。
そのため移籍を目標にして努力を続ける派遣社員も多いでしょう。
ただし、「準社員」としての移籍となり、正社員となるにはさらに段階を踏むというケースもあります。
まとめ
派遣社員はフルタイムで働く人が約4割います。
自分の得意なことに集中できる、社内の雑務に振り回されることが少ないのもメリットと言えるでしょう。
さらに派遣社員にはキャリアアップの支援が豊富で、積極的に取り入れることで自分を成長させることができます。
派遣会社の正社員、派遣先に移籍するにもメリット・デメリットがあるので、自分に適った働き方を選びましょう♪