結婚するとどうなる?財産について考えてみよう

大好きな人とついに結婚!とっても嬉しい瞬間ですよね♪
結婚は、「他人同士」に強力な権利を与える不思議な制度でもあります。
2人の財産や親族関係にも大きく影響があるのです!

日本の結婚は古くからの価値観、明治時代以降ヨーロッパから輸入された法律、第二次世界大戦後の日本国憲法の考え方が混じり合って、ちょっとチグハグしていることも…。

今回は、そんな結婚を、お金の面から学んでいきましょう

結婚とは?

結婚は法律では「婚姻」といって日本国憲法によると、
「両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」
「配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」
つまり、最初に2人の意思が大事であり上下の関係はないですよ~!と書かれています。

一方で細かいことは憲法ではなくて「法律」で定めるし、家族の範囲も含まれるとしています。
つまり、本当に結婚とは何かを知るには法律を知る必要があるのです!

法律によると結婚は「いつまでに結婚する」「〇〇できたら結婚する」のように期限や条件をつけることはできません。
もっとも重要なのは「本当に結婚したいと思っている」ことが求められることで、婚姻届けを出すだけでは認められません…。
偽装結婚はダメだし、病気などで意思がハッキリしてないなら無効です!

配偶者とは?

結婚をすると相手は配偶者となります。
配偶者は唯一無二のパートナーとして法律上で最強ともいえる力があります。
後述する血族でも姻族でもなく、ただ配偶者という立場です。
日常生活では親やいとこなどの関係の中の1つのように感じますが財産、相続、住居など最も優先されます。

質問者の写真
結婚は意思だけで特別な力を相手に与えられるんやな!

親族ってなんだろう?

法律では6親等内の血族、3親等内の姻族、配偶者が親族とされています。

6親等の血族というのは、自分の六世代までの直系の先祖・子孫のことを言います。
具体的に言うと、兄弟の玄孫、いとこの孫、曾祖父の兄弟の子も6親等内。
多くの人は会ったこともないのではないしょうか?

さらに血族には血の繋がりだけではなく、養子も含まれるのでより複雑です…。

姻族は配偶者の親族のことで、配偶者の甥や姪は3親等にあたります。
結婚式などで顔を合わせることもある関係でしょう。
注意が必要なのは「自分の血族」と「配偶者の血族」は姻族ではないということです。

たとえば、「自分の父親」と「配偶者の父親」の関係は法律では他人です。
日本の文化風習としては親族と考えることも多いのでギャップがありますよね!

夫婦の財産は一緒?バラバラ?

「結婚をしたら二人のお財布は一緒だから好きに使っても大丈夫!」という考えは根強く、片方が財産管理をしている家庭は多いでしょう。
ですが、法律では全く違います!
トラブルが起きやすいと言われているので仕組みを知ることは大切です。

ここでは結婚前にルールを決めることと、法律で決められているパターンがあることを学びましょう♪

結婚前に夫婦財産契約で取り決めができる

夫婦の財産がどちらのものになるのか、どうやって管理するのか、費用の負担割合などを一定の範囲で決めることができる制度があります。
欧米では「プレナップ」と呼ばれているもので広く活用されています。

夫婦財産契約は離婚時のトラブル防止相続を円滑に進めるために利用されることが多いとされています。
お互いの財産が多いほどメリットは大きくなります。
有効にするためには婚姻届を出すまでに「登記」をして公的な証明を残さなければなりません。
さらに一度締結すると原則として変更ができないという特徴があります。

解答者の写真
日本ではあまり知られてない制度やな~

法律で決まっているルールがある

ほとんどの日本人が適用されているのが「法定財産制」と呼ばれるルールです。

  • 結婚前から持っている財産は自分のもの
  • 結婚後に自分の名前で得た財産も自分のもの
  • どちらに属するか分からなければ夫婦共有になると推定される

3つのルールを知ると結婚しても自分で稼いだお金は自分のものであり、稼いだお金で買ったものは自分のものということが分かります。
例えば、夫が集めていた趣味の物を妻が捨てたという話は「財産は共有のもの」という価値観を反映しているともいえますが、実は赤の他人の物を捨ててしまったのと変わらないのです!

だからといって、夫婦が共同で生活しているのも事実です。
夫婦にはお互いの資産や収入を考慮しながら生活費、養育費、医療費など生活で必要な費用を分担する義務があります。
電気代や水道代、スーパーで買う食品など日常生活の範囲内のものを配偶者が支払った場合、もう片方が支払う義務もがある、という事なんです(汗)

日常の範囲までが対象なので、配偶者が何百万円もする高価なバッグを買ったとしても、代わりに支払う義務はありませんよ!

結婚ってどんな力があるの?

多様化する価値観ですが、結婚は男女でしか認められていません
ニュースで同性婚ついて裁判している様子が取り上げられていても、「結婚しなくても一緒に住めば問題ないのでは?」と思う人も多いでしょう。

ですが、事実婚ではできないことや守られないことがたくさんあります。

相続

パートナーが亡くなったときの相続順位は常に配偶者が1位です。
子どもや尊属との分配割合でも最も優遇されます。
遺留分と呼ばれる相続財産を保護する仕組みや、住む家についても保護される特例があります。

事実婚でも遺贈という形がありますが確実に保護されるわけではありません…(涙)

不法行為の損害賠償請求をできる

パートナーが事故や事件で亡くなってしまったとき、加害者に損害賠償請求をすることができます。
事実婚では相手に償わせる方法が限られてしまうのです…。

税金が優遇される

所得税の配偶者控除、離婚後の寡婦・寡夫控除、連れ子を対象とした扶養控除、医療費控除の合算など年末調整で申告することで得られるメリットがあります。
親などから貰える結婚資金としての贈与や、相続税の配偶者控除など結婚がキッカケとなる制度も整備されています!

年金を受け取れる

年金は配偶者の条件によって老後や障害になったときに給付される金額が増えることがあります。
もし自分が死亡したとしても、配偶者は優先的に遺族年金を受取ることができます。

業務や通勤途中の事故や怪我で死亡したとしても、労災保険に加入していれば遺族年金を貰うことができます。

質問者の写真
労災保険の遺族年金も貰える順位は1位やで!

 

医療制度がよりオトクに

所得など一定の要件を満たせば扶養に入れることで保険料の負担を減らすことができます。
治療費も保険適用され高額医療費の合算制度も利用することができます♪

医療制度で最も特徴的なのはカルテの開示請求、医療行為や緊急時の判断など、生命に直接関わる事項についても関与できることです。

法律以外の特典も充実

法律以外にも結婚していることでたくさんのメリットがあります!

  • 民間生命保険の死亡保険を配偶者として受け取れる
  • 配偶者として葬儀に参列できる
  • 入院中に面会しやすい
  • 企業の「慶弔休暇」「家族手当」などの対象となる
  • 自動車保険、携帯電話、クレジットカードなどの家族割の対象になる
  • 共有名義で住宅ローンを組むときに連帯保証人になれる

まとめ

結婚は法的にも社会的にもお互いを特別な関係であると証明することができます。
ほとんどの制度で結婚した2人の間では相手は最優先の扱いとなります。
まるで二人三脚のようですが、財産については別々のものであるという考え方もあるのが面白いところです。

結婚はお金に関わるものだけではありません。
「常に一番近い存在」として最期まで一緒にいることができるのも特徴です。
もし世界中で一番愛し合っている2人だったとしても、結婚をしていないと立場が弱くなってしまうと考えると、少し不思議な制度とも言えるかもしれませんね。

質問者の写真
今回もお疲れさまでした~

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です