独立をするときに最初から会社設立ではなく、まずは個人事業主からという選択があります。
少しずつノウハウを学ぶことができますし、管理する面でも難易度が低いというメリットがあります。
そして、個人事業主として活躍するために必要なのが開業届です。
今回は開業届とは何かや、作り方を学んでいきましょう!
目次
開業届ってなに?
開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。
会社員であれば会社が所得税の天引きにより納付し、年末調整により差額を調整してくれていました。
開業届は、税務署に提出することで今後は自分で所得税を計算する「確定申告」を行う、ということを伝える役割があります。
開業届は個人事業主の身分証的な側面もあります。
会社員であれば在籍証明は会社に頼めば作成してもらえましたが、個人事業主は開業届の控えが代わりになることがあります。
また、屋号で銀行口座開設やクレジットカードの発行を行う場面でも、開業届の控えの提出を求められることもありますよ!
そんな開業届は国税庁のWEBサイトから手に入れることができます。
PDFファイルは直接編集ができるようになっているので作成も簡単ですよ!
近くに税務署があれば手書き用の紙も貰うこともできます。
開業届には何を書くの?
では、実際の開業届を見てみましょう!
見慣れない項目がずらっと並んでいますが1つずつ見ていくと難しくはありません!
▲国税庁WEBサイト 「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」より
①提出先・提出日
開業届を提出する税務署と実際に提出する日付を記入します。
基本的には最寄りの税務署ですが特別な扱いを受けている地域もあります。
国税庁WEBサイトで確認しましょう!
【税務署の所在地を知りたい方】
https://www.nta.go.jp/about/organization/access/map.htm
②納税地・住所
住所地、居住地、事業所等から1つを選んで納税地の住所を記入しましょう。
電話番号については携帯電話番号でも問題なく受け付けてくれます。
・住所地
自宅と店舗やオフィスを兼ねているなら住所地を選びます。
・居住地
住居が海外で活動拠点は日本にあるという場合です。
・事務所
自宅と店舗や事務所が別々の場合です。
③氏名・生年月日
フルネームで記入しましょう。
生年月日は昭和や平成などチェックするのを忘れないよう注意!
④個人番号
マイナンバーのことです。
マイナンバーは納税記録や年金などの社会保障を管理するために運用され始めました。
活用することで事務管理の手間を大きく下げることができます。
⑤職業
お金に関わる重要な項目です。
この項目によって個人事業税の税率が変わってしまう可能性があるからです。
職業は決まったルールはないので誰が見ても分かるものがオススメです。
悩んだ場合は個人事業税の税率の一覧が都道府県別に公開されているので参考にしてみるのもよいのではないでしょうか!
▲東京都主税局 「個人事業税 4.法定業種と税率」より
⑥屋号
「オフィス〇〇」などの名称を記入します。
屋号を使用しない場合は空欄で大丈夫です。
株式会社や合名会社など法人で使われる表記は使用することができませんよ!
⑦届出の区分
開業をチェックします。
事業を引き継いだ場合のみ、住所と氏名を記入します。
⑧所得の種類
事業にもよりますがほとんどの人が事業所得を選択することになります。
所得が不動産か山林所得がメインの場合は該当する方にチェックを入れてください。
⑨開業・廃業日
開業届は開業日(事業を開始した日)から1ヶ月以内に提出とされています。
しかし、副業を本業にしようと思った場合はいつかがスタートか分からないですよね。
開業届を提出した日でも大丈夫ですし、この日を開業日にしようと自分で決めても構いません!
⑩事業所等を新増設、移転、廃止した場合・廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合
記入しません。
⑪開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
「青色申告承認申請書」も一緒に提出する場合は上段を「有」にします。
青色申告は節税効果が大きいので一緒に提出する人が多いでしょう!
下は消費税の課税事業者であるかの確認です。
自分が該当する方を選んでくださいね♪
⑫事業の概要
事業内容を具体的に分かるように書きましょう。
WEBデザイナーの場合「WEBコンテンツの作成、チラシの作成」など、業務内容がはっきりとわかるようにします。
⑬給料等の支払いの状況
家族従業員は「専従者」、一般的な従業員は「使用人」に人数を記入します。
個人事業主でも雇用することはできるので項目が設けられています。
給料の定め方は月給、日給など計算方法を記入します。
税額の有無は源泉徴収する場合は有りにチェックしましょう!
⑭給与支払いを開始する年月日
従業員がいる場合は記入が必要です。
どこに提出するの?
開業届は納税地を管轄する税務署に提出します。
郵送等でも受付けていますが、訂正作業や開業届の控えを貰う必要があるので自分で窓口に持っていくのがよいでしょう!
【提出時に持っていくもの】
- 開業届(提出用と控えの計2枚が必要)
- マイナンバーカード(無い場合にはマイナンバーを確認できる書類や運転免許証などの身分証明書)
- 印鑑
いまではマイナンバーカードを利用した電子サービスによって、WEB上でも開業届を作成して提出することができます。
サブスク型の会計アプリで書類作成をサポートしてくれるサービスもあるので活用するのもよいでしょう♪
まとめ
無いと進められない手続きもある開業届。
見慣れない言葉がずらっと並んでいますが、1つずつ見ていくと難しいものではありません。
青色申告承認申請書も一緒に提出すれば、税金のメリットも大きくなります。
独立する第一歩でもある開業届は確定申告などさまざまなお金に繋がる重要な届出なのです!