こんにちは、テンです!
このページでは、【失業手当】について解説します!
「失業手当の説明なんて必要無いで〜」
「手続き方法を知らない人なんて、いてないやろ〜」
いや、いるんです。
何を隠そう、僕のことです。(笑)
失業手当の存在を知りませんでした。
そして知らないことで損をしました。
知っている人も、知らない人も
改めて知ることで損失を防ぎましょう。
貰えるものは貰っておきましょう!
目次
質問:失業手当の対象となるか?
今回の章は、受けた質問を基に解説していきます。
私は、34歳です。 出産を機に、育休に入りました。(育休期間は2年間です) 出産当初は復帰することを前提に考えておりましたが、もう少し子どもとの時間を作りたいのでこの度退職を申し出ました。 3年正社員としてバリバリ勤めた会社で名残惜しかったのですが、今は子どもとの時間を大切にしたいと考えたからです。 そんな時、友人から 「退職をするなら、失業給付を申請してみたら?」と言われました。 しかし、言葉は知っていても、内容についてはサッパリ・・・。 申請内容等、教えてください。
今回いただきました質問を整理すると
- 2年間の育休期間がある
- 3年間正社員(フルタイム)として就業
- 育休後、復帰せずに離職
- 自己退職
- 失業手当について知りたい
こんなところでしょうか。
では早速いきましょう!
そもそも失業手当とは
いろんな呼び方があってややこしい!
「失業手当」
「失業保険」
「失業給付」
などいろんな呼び方があります。
失業手当は雇用保険のひとつ
では正式な名称は?
失業手当は
『雇用保険』の中の『失業等給付』の中の『求職者給付』の中の
『基本手当』が、いわゆる失業手当にあたります。
図1(出典:ハローワークインターネットサービス「雇用保険制度の概要」より)
あまり重要では無いので
ザックリと、雇用保険の給付のひとつ!
それだけ理解できればOKです!
ちなみにここでは「失業手当」として解説していきますね^^
雇用保険加入の対象者は?
ここもザッと流して解説します。
雇用保険は以下の条件で加入対象となります。
- 労働者であること(会社経営役員ではないこと)
- 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
- 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
- 学生でないこと(例外あり)
雇用保険は、割に合う公的保険です。
例えば雇用保険は、以下の場合にお金を貰えることができます。
-
求職者給付(失業した時に貰えるお金)
-
就業促進給付(就職した時に貰えるお金)
-
教育訓練給付(自己投資した時に還元されるお金)
-
雇用継続給付(育児を行う時にサポートされるお金)
ザックリ見ただけでも、これだけの保険があります。
民間で入る保険よりも、かなりメリットがあるのではないでしょうか^^;
そして今回は、求職者給付の基本手当の話です^^
解説:失業手当とは
基本手当とは、求職者の失業中の生活の安定を図りつつ、求職活動を容易にすることを目的とし、被保険者であった方が離職した場合において、働く意思と能力を有し、求職活動を行っているにもかかわらず、就職できない場合に支給されるものです。 ー基本手当について(厚生労働省)
お国さまの文章って非常にわかりにくいですよね・・・。
順番に解説していきます。
尚、今回は質問者さんに対する回答を中心に解説します!
制度全体ではなくピンポイントとなる可能性があるので、ご注意ください。
失業手当の目的
まず失業手当の主な目的は次の2つです。
- 失業している期間中の生活不安を軽減
- 再就職活動のためのサポート
焦って就職活動をしてもなかなか上手くいきませんよね。
使えるモノは使いましょう精神!大切です^ ^
受給要件は?
離職者分類
離職者は主に以下の3つに分けられます。
- 一般離職者
- 特定理由離職者
- 特定受給資格者
今回は、一般離職者について解説していきます。
受給要件(一般離職者)は?
失業手当を受給できる対象は以下の2つです。
- 職業に就くことができない「失業の状態」であること
- 離職日以前2年間に、被保険者期間が通算して12ヶ月以上あること
「2」の被保険者期間については
- 1ヶ月に出勤日数(有給休暇も含む)が11日以上
- 1ヶ月の労働時間数が80時間以上
このいずれか満たしていればclearです ^_-
受給期間は?
失業手当を受給できる権利は、期限があります。
- 原則、離職した日の翌日から1年間
これを超えてしまうと、受給することができなくなってしまいます。
■受給期間を延長することも
ただし、病気やケガ、妊娠、育児など就職できない場合は
最長4年間、延長できる可能性があります。
因みに、延長の申請は
離職日の翌日〜1ヶ月間待機をし延長申請を出すことができる。
今すぐ受給できない理由がある方は
延長申請を出すことも検討してみてください。
支給額や日数は?
受給額の計算方法
計算式は
①失業手当の受給額=基本手当日額×所定給付日数
で計算されます。
失業手当を計差案する際、まずは1日あたりの金額が計算されます。
これを「基本手当日額」といいます。
計算式は
②基本手当日額=賃金日額×賃金日額に応じた給付率
で計算されます。
②で出てきた賃金日額は以下の計算式になります。
③賃金日額=被保険者期間の離職日以前6ヶ月÷180
で計算されます。
最後に②で出てきた給付率については
年齢と賃金日額に応じて50%〜80%の範囲で設定されます。
給料が低い人ほど80%支給に近くなります!
苦手な計算!一旦お疲れ様でした!(笑)
少し計算式の整理をしておきましょう。
■計算式整理
以下の順番で計算するとスムーズです。
まずは賃金日額を求めます。
A:賃金日額=被保険者期間の離職日以前6ヶ月÷180
次に
B:基本手当日額=賃金日額×賃金日額に応じた給付率
最後に
C:失業手当の受給額=基本手当日額×所定給付日数
こんな感じでしょう^^
とはいえ、ハローワークに行けば計算してくれるので
覚える必要はありません!
■賃金日額には上限がある
もう一つ解説しておきます。
賃金日額と基本手当日額には上限と下限があります。
こちらも覚える必要はありません。
◆年齢区分に応じた賃金日額・基本手当日額の上限額
離職時の年齢 | 賃金日額の上限額(円) | 基本手当日額の上限額(円) |
29歳以下 | 13,520円 | 6,760円 |
30歳〜44歳 | 15,020円 | 7,510円 |
45歳〜59歳 | 16,530円 | 8,265円 |
60歳〜64歳 | 15,770円 | 7,096円 |
図2(令和3年8月1日 参考:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」)
◆賃金日額・基本手当日額の下限額
年齢 | 賃金日額の下限額(円) | 基本手当日額の下限額(円) |
全年齢 | 2,577円 | 2,061円 |
図3(令和3年8月1日 参考:厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」)
※毎年変更されるので注意
支給日数
給付日数は「自己都合退職」か「会社都合退職」かによって異なります。
離職時の年齢 | 雇用保険の加入期間 | ||
10年未満 | 10年以上
20年未満 |
20年以上 | |
65歳未満 | 90日 | 120日 | 150日 |
図3(令和3年8月1日 参考:ハローワークインターネットサービス「基礎手当の所定給付日数」)
今回の質問者さんのケースで行けば3年の在職期間を経て退職ですので
「90日」となりますね!
申請に必要なモノは?
失業手当について、必要なモノは以下の通りです。
- 雇用保険被保険者離職票
- 免許証等の身分証明書
- 印鑑(認印可)
- 個人番号確認書類(マイナンバー、通知カード、住民票)
- 写真(3㎝×2.5㎝)×2枚
- 本人名義の通帳
地域によって必要書類が異なりますので、訪問前に確認しておくといいかもしれません。
申請場所は?
申請場所はお近くにあるハローワークの「給付係」です。
申請から受給までに待機期間がある
受給までに待機期間があります。
こちらも、「自己都合退職」か「会社都合退職」かによって異なります。
質問者さんのように、自己都合退職の場合は
- 申請後7日間の待機期間(全ての受給者が対象)
- その後2ヶ月の待機期間
後述する受給までの流れにて説明します。
申請から受給までの流れ
受給までの流れを見ていきましょう!
ここではわかりやすいように、仮の日を設定して説明します。
※仮日程9/1に受給資格の決定
※90日間の支給日数
①会社から離職票を受け取る
まずは直近まで在籍したいた会社から離職票を受け取ってください。
基本は放っておいても勝手に送ってきますが
会社によっては請求しないと送ってこない可能性があります。
②離職票と必要物を持ってハローワークへ
お住まいのエリアにあるハローワークの給付係へ
- 雇用保険被保険者離職票
- 免許証等の身分証明書
- 印鑑(認印可)
- 個人番号確認書類(マイナンバー、通知カード、住民票)
- 写真(3㎝×2.5㎝)×2枚
- 本人名義の通帳
を持っていきます。
注意事項は、原則本人申請のみということです。
③受給申し込み(求職者申請)→受給資格の決定(9/1)
離職理由の判定後、受給資格の決定がされます。
④7日間の待機期間(9/1~9/7)
離職理由は一切関係なく
全ての受給資格者は7日間の待機が必要です。
⑤2ヶ月の給付制限期間(9/8~11/7)
今回の質問者さんのような
一般離職者は受給まで2ヶ月間の待機期間があります。
④と⑤はいわゆる「お金がでない期間」です。
この時から就職活動は開始OKです!
⑥第1回認定日(説明会)
認定日が開始されます。
認定日は4週間に1回のペースであります。
初めの認定日は、説明会がメインとなります。
※受給対象外
約2時間の講習と説明会(DVD視聴等)を受ける必要があります。
※この記事を書いている2021年8月現在は新型コロナウィルスの影響により説明会はありません。YouTubeなどで手続きの流れを確認。第1回目は窓口で15分程度で終わります。
⑦第2回認定日(11/17)9日分
今回のケースで行くと、給付制限終了の次の日から第2回認定日の前日
つまり11/8〜11/16までが支給対象となり
合計9日分の失業手当が、約1週間後に
指定通帳に振り込まれます。
⑧第3回認定日(12/15)28日分
次に3回目の認定日については
前回の認定日から第3回認定日の前日
つまり11/17〜12/14までが支給対象となり
合計28日分の失業手当が、約1週間後に
指定通帳に振り込まれます。
⑨第4回認定日(1/12)28日分
次に4回目の認定日については
前回の認定日から第4回認定日の前日
つまり12/15〜1/11までが支給対象となり
合計28日分の失業手当が、約1週間後に
指定通帳に振り込まれます。
⑩第5回認定日(2/9)25日分
最後に5回目の認定日については
前回の認定日から第5回認定日の前日
つまり1/12〜2/8までが支給対象となり
合計25日分の失業手当が、約1週間後に
指定通帳に振り込まれます。
あくまで目安ですが、ザックリこの流れで進みます。
是非参考までに!
ハローワークへ行く回数は?
上記の内容を整理すると、最終まで受給をした場合
最低4〜6回はハローワークへ行くことになります。
認定日には就職活動状況を確認
認定日の時は、就職活動の状況を報告する必要があります。
ハローワークへ求人を探しに行ったり
企業へ直接電話をしたり
とにかく就職活動に意欲が姿勢を見せる必要があります。
ただ、報告はあくまでも自己申告となります。
就職活動状況はメモを取っておくといいでしょうね!
早期就職には再就職手当
再就職手当とは
さて、ここまで失業手当について解説してきました。
最後に
再就職手当
について簡単に解説して終わりましょう!
厚生労働省の内容を引用します。
再就職手当は、基本手当の受給資格がある方が安定した職業に就いた場合(雇用保険の被保険者となる場合や、事業主となって、雇用保険の被保険者を雇用する場合など)に基本手当の支給残日数(就職日の前日までの失業の認定を受けた後の残りの日数)が所定給付日数の3分の1以上あり、一定の要件に該当する場合に支給されます。
・・・(笑)
雑に言うと
早く就職できたからご褒美にお祝い金あげますよ!
です。
受給するためには8つの条件を全て満たす必要がある
受給するために下記の条件を全て満たしていなければなりません。
- 7日間の待機期間を満了していること
- 受給資格の決定者で、支給残日数が就職日の前日までに1/3以上あること(※1)
- 離職した会社に再就職または親会社やグループ会社など関連企業でないこと
- 自己都合退職の場合、給付制限中の1ヶ月間はハローワークもしくは職業紹介事業者の紹介した就職先であること
- 1年を超えて勤務ができること・安定した仕事であること
- 原則、雇用保険被保険者になること
- 過去3年以内に再就職手当等を受けていないこと
- 手続き日時点で就業先が決まっていないこと
※1 再就職手当の計算式
まず計算式からいきます。
再就職手当の額=基本手当日額×支給残日数×60%もしくは70%
再就職手当は、支給残日数によって60%か70%か変わります。
所定給付日数が90日の人で
(ここでいう質問者さんは90日のため)
- 支給残日数30日以上(1/3以上)・・・60%
- 支給残日数60日以上(2/3以上)・・・70%
ということになります。
■ここでも上限がある
基本手当日額の上限は、6,120円(60歳以上65歳未満は4,950円)となります。(毎年8月1日以降に変更されることがあります。) ー令和3年8月現在 ハローワークインターネットサービス「就業促進給付」より
※毎年8月1日に改定のため注意
どちらが得か問題
この話をすると多くの方が口を揃えて質問をしてきます。
「失業手当を最後まで受ける方か、再就職手当を受ける方か、どちらが得か」
このどちらが得か問題。
みなさんお好きでしょう。
ご期待にお応えしましょう!
結論、今回のケースだけでいくと90日間受給し切る方が得です。
例えばわかりやすいように、上限額で計算してみます。
失業手当90日分受給した場合(34歳)
7,510円(基本手当日額)×90日(所定給付日数)
総額=675,900円
1/3を残して再就職した場合(34歳)
①7,510円(基本手当日額)×60日(所定給付日数)=450,600円
②6,120円(基本手当日額)×30日(支給残日数)×60%=110,160円
①+②=560,760円
2/3を残して再就職した場合(34歳)
①7,510円(基本手当日額)×30日(所定給付日数)=225,300円
②6,120円(基本手当日額)×60日(支給残日数)×70%=257,040円
①+②=482,340円
こんな感じの結果です!
何を持って得とするか?
とはいえ、これは今回のケースに沿っただけです。
いざ受給すると際には、必ず計算してみてください。
また、就職にはタイミングがつきものです。
この記事を書いている現在は、新型コロナウィルスの影響により
買い手市場になっています。
ご自身が気になるタイミングで就職するべきだと考えます。
金額だけでなく、トータル的なバランスで選択してくださいね!
まとめ:知っているようで知らない失業手当の仕組みと手続き方法★三重ハローワーク確認済みの手順を紹介!
最後に今回の章をザックリまとめましょう!
この章では失業手当の仕組みと手続き方法について解説致しました。
※今回は質問者さんに合わせたため、一部情報が限定されています。
失業手当について
失業手当は雇用保険の一種
- 失業手当は、雇用保険の中の基本手当部分に当たる
- 雇用保険は割りに合う公的保険である
- 失業手当は就職活動するためのサポートになる
- 離職者は一般離職者、特定理由離職者、特定受給資格者にわけられる
受給対象は、離職以前2年間の間に被保険者期間が通算12ヶ月以上必要だということでしたね。
原則離職した翌日から1年以内に申請ださなければ受給権利が消滅してしまいます。
受給できない場合は、最長4年の延長申請ができるので是非活用ください。
失業手当の計算方法
この章ではいくつかの計算式がでてきました。
- ①失業手当の受給額=基本手当日額×所定給付日数
- ②基本手当日額=賃金日額×賃金日額に応じた給付率
- ③賃金日額=被保険者期間の離職日以前6ヶ月÷180
特別覚える必要はありませんが、知識として入れておくといいかもしれません。
上限額や支給日数が決まっている
- 支給額には上限があります。毎年改定されるので覚える必要はありませんが、上限額があるということだけおさえておきましょう。
- 支給日数は雇用保険の加入期間で決まります。
- 10年未満・・・90日
- 10年以上20年未満・・・120日
- 20年以上・・・150日
必要書類を準備しよう
申請に必要な書類は以下の通りです。
- 雇用保険被保険者離職票
- 免許証等の身分証明書
- 印鑑(認印可)
- 個人番号確認書類(マイナンバー、通知カード、住民票)
- 写真(3㎝×2.5㎝)×2枚
- 本人名義の通帳
受給までには待機期間がある
受給を受けるまでに、申請してから7日間の待機期間があります。
また、退職理由が自己都合の場合、2ヶ月間の待機があることを覚えておいてください。
申請から受給までの流れについて
- 離職票を受け止める
- ハローワークで受給資格を取得
- 7日間の待機
- 2ヶ月の待機(自己都合退職者に限り)
- 第1回認定日で説明会を受ける
- 4週間ごとに認定日へ行く
若干の個人差がありますが、ハローワークへは4回〜6回行くことになります。
早期に仕事が決まった場合は再就職手当も
失業手当を受けながら、早めに就職が決まった場合は再就職手当として受け取ることも可能です。
是非活用してみてください。
なるべく噛み砕いて説明していきます。
今後もゆっくり学んでいきましょう!
ではまた!
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